京都市は9日、屋外広告や看板のモデルとなる店舗などを表彰する「優良屋外広告物賞」の第1回入賞作品を発表した。最優秀作品は「ローソン八坂神社前店」(東山区)が選ばれた。
 市が昨年9月から導入した新景観政策では、屋外広告に使える色や設置できる高さ、面積の制限が厳しくなり、屋上看板と点滅照明は禁止となった。市は規制強化の中でも優れたデザインの看板が製作できる事例をPRし、市民や業者にも意識を高めてもらおうと表彰制度を設けた。今年6月から8月までに73点の応募があり、市美観風致審議会の委員が審査した。ローソン八坂神社前店は、屋外広告の基準では最も厳しい部類の「歴史遺産型」の地域にあり、あんどんをイメージした照明と黒色で表示した店舗名が、格子風の外観と調和していると評価された。市は今後、最優秀と優秀賞の計12作品をパンフレットにして区役所などで配る。入賞作品は市の許可更新手続きが緩和される。

同記事では,京都市における優良屋外広告物賞の第1回入賞作品として,東山区にあるコンビニエンスストアが受賞したことを紹介.
同賞の判定基準としては,「京都市内の屋外広告物で京都の町並みに調和した優れたデザインや,京都の景観に配慮した独自デザイン」であるものが想定されている.より具体的な審査基準としては,「広告物自体の形態,意匠,材料等が優れているもの」「広告物が定着する建築物等と調和しているもの」「独自の工夫や景観への配慮等がなされているもの」であるか,「企業等が,京都の景観に特に配慮した意匠を独自に考えるなどの取組により,他の広告物に対して,同様の取組を普及させる効果があるもの」*1とされている.また,手続としては,「屋外広告物を市民から公募(自薦・他薦)」を受けて,「京都市美観風致審議会広告物専門小委員会」において,写真選考と現地視察を経て,入賞作品を決定」するというもの.
応募総数は73件あり,自薦が11件,他薦が62件と,「他薦」が8割を占めている.このように「他薦」が大半を占めた結果からは,景観法を活かすためにも,「実際には,景観計画区域という「面」に居住する「住民集団」が,前向きに考えければならない」*2との指摘と照らし合わせても,(「他薦」の主体がどのような方々は判然とはしないものの)同市内では,住民集団による積極的な景観配慮型の取り組み姿勢にあると理解することが適当か(なお,受賞された同店舗の外観は,同市HP資料を参照*3
なお,蛇足.同市では「環境にやさしいライフスタイルを考える市民会議」を主催され「深夜化するライフスタイル・ワークスタイルの見直し」*4についても検討が進められており,その一環としてコンビニエンスストアへの深夜営業自粛の検討もなされつつある模様.同対象を評価することは,京都特有の鷹揚さゆえなのか,将亦,Carrot and Stickなのか,興味深い.