2012年度の県への「ふるさと納税」件数が880件で、過去最高となったことが15日分かった。全国的に件数が伸び悩む中、前年度比1・6倍の大幅増。12年夏の九州北部豪雨の復興支援やくまモン人気などが背景にある。
 ふるさと納税は、出身地などの地方自治体に2千円を超える寄付をすると、居住地の住民税などが軽減される仕組み。08年5月に受け付けを始めた県は、1万円以上の寄付者にデコポンくまモンのデザイン入りの県産品セットなどを贈っている。県への寄付件数は、08年度の277件以降漸増していたが、11年度は558件に減少。12年度は880件と再び増え、都道府県別で全国4位となった。
 県税務課は「返礼品の評判の良さ、制度自体の認知度向上、くまモン人気による注目度アップなど、複合的な要因だろう」と説明。申し込みの自由書き込み欄に「災害義援金に使ってほしい」と、九州北部豪雨からの復興への活用を求める声も34件あったという。東京からの寄付が282件と最も多く、大阪93件、神奈川84件と続いた。
 一方、12年度の寄付合計額は3513万円で、全国7位。前年度比53%増だった。過去最高額は、1億円と1344万円の大口寄付があった10年度の1億3773万円。福井県が運営する「ふるさと納税情報センター」によると、12年度の全国の集計値(暫定値)は1万5653件、11億5598万円。11年度に東日本大震災の被災県への寄付が大幅に伸びた反動で、件数は21%減、金額は32%減だった。全国的傾向と異なる好調ぶりに、蒲島郁夫知事は「熊本を故郷と思ってくれる人が多くいてありがたい。今後も広く協力をお願いしていく」と話している。(潮崎知博)

本記事では,熊本県における「ふるさと納税」の件数を紹介.
2008年度は277件12,676,925円*1,2009年度は554件58,754,815円*2,2010年度は596件13,730,555円*3,2011年度は558件22,905,000円*4と毎年度寄附額が増加し続けている同県の「ふるさと納税」.本記事によると2012年度は3513万円であった模様.
同県では,本記事内でも紹介されているように,同県に対して「平成24年中に」「市町村への寄附を除き」「10,000円以上寄附」された方には,同県は「ふるさとを感じていただける感謝の品(県産品)」を贈呈されている.具体的は,「くまもとのデコポン」「くまもとのメロン」「くまもとのご飯を味わうセット」「くまもとふるさとセット」「 熊本名物いきなり団子」「 球磨焼酎で晩酌セット」「「くまモン」セット」「 銀座熊本館の商品引換券3千円分」*5の8コース(商品交換券もまたご当地のお店のものであれば,やはり「ふるさとを感じ」る品なのだろう.なるほど).
増額の要因を,これら贈呈品という,いわば「ハード」ではなく,熊本県への思いという「ソフト」*6を含めた「複合的な要因」であるとの見立ても紹介.確かに「全国的傾向と異なる好調」とすれば,同県への寄附額の増額の要因は,「くまモンの政治経済学」*7としても興味深い研究課題.考えてみたい.

*1:熊本県HP(ふるさと納税(寄附金)のご案内)「寄附金の活用報告)「【ご報告】平成20年度のふるさと納税(寄附金)の活用について

*2:熊本県HP(ふるさと納税(寄附金)のご案内)「寄附金の活用報告)「【ご報告】平成21年度のふるさと納税(寄附金)の活用について

*3:熊本県HP(ふるさと納税(寄附金)のご案内)「寄附金の活用報告)「【ご報告】平成22年度のふるさと納税(寄附金)の活用について

*4:熊本県HP(ふるさと納税(寄附金)のご案内)「寄附金の活用報告)「【ご報告】平成23年度のふるさと納税(寄附金)の活用について

*5:熊本県HP(ふるさと納税(寄附金)のご案内)「寄附金の活用報告

*6:熊本県庁チームくまモンくまモンの秘密』(幻冬社,2013年)238頁

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)

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*7:東京大学HP(学部・大学院・研究所・センター公共政策大学院公共政策セミナー)「第73回公共政策セミナー蒲島郁夫 熊本県知事 行政の新フロンティア〜くまモンの政治経済学〜」(このセミナーにもくまモンが現れるのだろうか.東大内を闊歩するくまモンをぜひ見てみたいなあ)