多摩市の阿部裕行市長は二十五日の会見で、福祉や健康づくり、介護予防の支援体制を整える「健幸(けんこう)まちづくり政策監」のポストを四月一日に新設し、厚生労働省職員の安里賀奈子(あさとかなこ)氏(39)を任命すると発表した。身分は常勤特別職の特別秘書とする。市によると、多摩地区の自治体で特別秘書を置くのは初めて。
 市は総合計画の中で「健幸都市・多摩の創造」を掲げ、子どもから高齢者まで、誰もが市内で住み続けるための制度や施設の整備を急いでおり、健幸まちづくり政策監が庁内横断的に取り組みを進める。
 昨年の十二月議会で特別秘書を設置するための条例案が可決された。国や都の協力を仰ぐため、市は福祉施策に詳しい職員の派遣を同省に要請していた。
 安里氏は二〇〇〇年入省。健康局結核感染症課長補佐、年金局事業管理課長補佐などを経て現在医薬・生活衛生局水道課長補佐。阿部市長は「高齢化が急速に進む多摩市の現場を知ってもらい、すべての市民の地域生活を支援する仕組みづくりに専念してほしい」と期待した。 (栗原淳)

本記事では,多摩市における特別秘書の設置を紹介.
同市が策定した「第五次総合計画第2期基本計画」の「方向性の一つ」となる「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」を「全庁横断的に取り組みを推進する」目的から,2016年4月1日から「2年間,特別秘書」として「健幸まちづくり政策監」を「設置」*1.同職の「職務」は「組織横断的に実施する」「「健康づくり無関心層」 を含む市民全体への健康づくり・介護予防」「支援が必要な高齢者・障がい者の地域生活を支援する横断的相談・支援体制の構築にあた」る「全庁的な推進役」*2を要する具体的案件への同職の役割は,要観察.

*1:多摩市HP( 市政情報情報公開・個人情報保護記者会見資料定例記者会見(平成28年3月25日金曜日開催))「280325 記者会見 資料1-1 健幸まちづくり政策監(特別秘書)を新設します」(健康福祉部健幸まちづくり担当)

*2:前掲注1・多摩市(280325 記者会見 資料1-1 健幸まちづくり政策監(特別秘書)を新設します))とされている.同設置目的の実現に伴う,「幾重にも合意を形成し直す」「重層的な合意形成」((牧原出『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会,2009年)183頁

行政改革と調整のシステム (行政学叢書)

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