関西空港連絡橋の国有化で、年約8億円の固定資産税収を失う泉佐野市が打ち出した連絡橋の通行車両に対する課税の可否を検討する有識者らによる委員会の初会合が1日開かれた。市は、条例による法定外税として「空港関連地域整備税」を創設し、通行車両から往復200円徴収する案を示した。
 連絡橋には1日約1万台が通行しており、年間7億円以上の徴税が可能と市は試算。普通車の通行料金は国有化で現行の1500円から800円に値下げされるが、現行料金は市への固定資産税支払い分も含んで関空会社が設定しているとし、「これまでも利用者は間接的に固定資産税を負担していた。課税は妥当」と理解を求めた。これに対し、委員からは「市民以外が徴収に納得できるか疑問」「課税よりも減収分の補てん策を国から引き出すべきだ」といった声が上がった。委員会は同社からも意見を聞いた上で、今月中に答申案をまとめ、新田谷修司市長に提出する。

少し古い記事となりましたが,同記事では,泉佐野市において,関西空港連絡橋の国有化に伴う固定資産税減収分を補填することを目的として,法定外目的税として「空港関連地域整備税」(「入島税」?)創設の妥当性に関して検討を開始したことを紹介.既に,朝日新聞*1にて報道されていたように,議会に対して同税の検討を報告済み.同記事では,同委員会では,今月中での検討結果を示すともあり,市としての意思統一は早期になされる予定模様.
以前,本備忘録でも見た「入島税」とは,その目的からも少し系統が異なるよう.法定外税とする場合,その手続き要件である総務相との同意協議における3つの要件*2や,既存の法定外税*3とも照らし合わせた場合,実現度はどうだろうか.また,例え同意となれば,道路は続くよどこまでもではないだろうが,税率過大としての「租税競争」*4の状況をも生じることが想定される.協議結果の先を見据えての問題提起なのだろうか.要観察.

*1:朝日新聞(2008年6月16日付)「関空への通行料、下げるのにまた上がる? 市が新税案

*2:総務省HP「法定外税の協議制度と主な同意の状況

*3:総務省HP「法定外税の状況(平成19年4月現在)

*4:畑農鋭矢・林正義・吉田浩『財政学をつかむ』(有斐閣,2008年)177頁

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