世田谷区新庁舎の東棟を公開 前川建築の歴史継承(東京新聞2024年5月19日) 

 5年後の完成を目指して建て替え工事が進む東京都の世田谷区庁舎で18日、1期工事で完成した東棟の一部と区民会館が関係者に公開された。区長室などが入る10階建ての東棟には、旧庁舎を設計した日本モダニズム建築の旗手、前川国男氏の資料を展示するコーナーを設置。住民に開かれた庁舎として配慮しつつ、旧庁舎の伝統も継承しているのが特徴だ。東棟は20日から、区民会館は9月1日から一般開放される。(奥野斐)
 東棟1階には、幾何学模様のようなデザインのレリーフが飾られている。旧庁舎にあった洋画家、大沢昌助氏の作品を約70%に縮小し、当時の色彩で復元したものだ。その背面には「前川ギャラリー」と名付けたコーナーを設け、1959年に完成した旧庁舎のパンフレットなどを展示し、歴史を継承している。
 東棟のうち1期工事部分は3月末に完成し、4月から順次、事務機能が移転した。保坂展人区長は「完成時期が延びるなど、ここに至る道のりは平たんではなかった。新しい区庁舎や区民会館が区民自治と区民との協働、交流の拠点となるようにしたい」と述べた。
 東棟には他に災害対策の部署が入り、9~10階は吹き抜けの区議会の議場になった。住民に開かれた議会にしようと、傍聴席を69席から93席に増設。新たに防音の親子傍聴室も設けた。
 10階の展望ロビー(平日午前8時半~午後5時15分)からは、晴れていれば富士山も望める。9月末まで名誉区民の中川李枝子さんの絵本「ぐりとぐら」のパネルも展示中だ。
 新庁舎は2021年7月に着工し、3工期に分けて整備中。施工業者の計画の見誤りなどで全体の完成は約1年半遅れの29年4月27日の予定。総事業費は約500億円を見込む。

本記事では、世田谷区における新庁舎開庁の取組を紹介。

同区では、「2021年」の「着工から」「新庁舎1期棟と大規模なリノベーションを施した区民会館が完成」となり、2024年度「4、5月から一部の部署が新庁舎へと移転して執務を開始」*1

「住民にとって利便性」*2の状況は要確認。