吉村美栄子新知事の14日付の就任に合わせ、県ホームページの「知事室」の内容が差し替わった。写真やあいさつ文、プロフィルなどが一新。斎藤弘前知事に関する情報も記者会見の内容などが別ページに収容され、引き続き見ることができる。
 トップページの体裁は変わらないが、左上の写真は斎藤前知事から吉村新知事になった。「知事室」に入ると、写真だけでなく、あいさつ文も一新。これまでの「魅力あるホームページでなければならないと私は考えています」などから、「いつも明るくプラスの姿勢で、人にやさしく心あたたかい、元気いっぱいの山形県を目指してがんばります」と新知事の抱負に。吉村新知事が選挙戦で使ったキャッチフレーズ「あったかい県政」「プラスの山形」も思わせる。更新情報や県政トピックス、スケジュール、記者会見などのメニューは従来のまま。初日の14日は、初登庁する16日から1週間の予定を記載したスケジュール以外は「更新情報なし」の状態だった。ただ、知事交際費の支出状況は、高橋和雄・元知事時代の2003年以降の分を公開し続けている。
 斎藤知事に関する情報の別ページは、「知事室」に「2月13日以前の記事はこちらから」との案内を設けた。任期中に372回に上った記者会見は動画(過去6カ月分)、文字に起こしたテキスト文とも掲載。県内を回った「出前知事室」やトピックスは写真付きで残っている。差し替え作業は13日深夜に行われた。部署別ページの各種申請書などに斎藤知事あてのものが依然あり、県広報室は「初登庁後に吉村新知事と相談し、順次更新していく」としている。

同記事では,山形県において,同県HP内の「知事室」の内容が変更されたことを紹介.米国においても,大統領への「就任時刻である正午の1分後」にホワイトハウスのHPが更新されたように*1自治体においても,2009年2月11日付の本備忘録で取りあげた「政権移行期(transition)」の風景の一つ.
同室のサイトについては,同県HPを参照*2.同記事にあるように,前知事関連の記録も継続的に掲載*3されており,その発言等の確認が可能となっている.自治体行政観察を継続的に行ううえで,現在では,各自治体HP内の各種情報は,制度・仕組みを経過観察する上では必需品(下名個人的にも,寝ぼけつつも本備忘録を執筆する際や,2008年6月21日付の本備忘録のように実際に訪問させて頂く前には,各自治体HPをよく利用させて頂いております).「政権移行期(transition)」に直面した自治体にとって,首長動向のみならず行政関連情報・記録もまた(各県の公立図書館HP内でもよいが)存置されていると,情報が限定されることで現首長動向に関する観察に「集団分極化」されるなかでも,比較対照しうる内容をもつことにもなり,「社会的討議を向上」*4することを期待できるとも考えられるが,どうだろうか.

*1:日本経済新聞(2009年1月21日付)「ホワイトハウスの公式サイトも一新 国民との対話に活用

*2:山形県HP「知事室

*3:山形県HP(知事室)「知事室掲載記事 2009年2月13日以前

*4:キャス サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』(毎日新聞社,2003年)92頁

インターネットは民主主義の敵か

インターネットは民主主義の敵か