岡山市は4日、新年度(4月1日付)の機構改革と人事異動を発表した。4月からの政令市移行準備のため、内示時期が例年より早く、既に発表済みの区役所分も含めると、異動総数は2444人で、ここ15年間で最大。全職員の約4割が異動する大規模なものとなった。今回発表された本庁関係の異動総数は1561人で、内訳は局長級11人、審議監・次長級59人、課長級118人、課長補佐級171人、係長・主任級731人。  機構改革では、市民からの要望に迅速、的確に対応するため「スピード処理促進統括担当課長」を配置。政令市に伴い「障害者更正相談所」「こども総合相談所」「こころの健康センター」などを設ける。

同記事では,岡山市において,本年4月1日の政令指定都市移行に伴い,全職員の4割が人事異動することを紹介.ここ数日間,体調が余り良くないことも反映してか,記事を読むこと,備忘録を記述することの何れも正直辛く,不調気味.とはいえ,敢えて,そういうときこそ,政令指定都市ということで(どういうことなのかはよく分かりませんが),2008年12月8日付の本備忘録以来の,お久しぶりの岡山市政令指定都市移行関連記事.2009年3月4日付の毎日新聞では*1,同市の政令指定都市移行との関連で,県警の機構改革において「市警察部」の設置も報道.同記事にある「スピード処理促進統括担当課長」とは何だろうと,興味津々,同市HPを拝見しても,未だ機構改革に関する情報が掲載されていない模様,残念*2.同記事の性格から本庁への配置案なのだろうか.要確認.
同記事にも紹介されている同市の「審議監」.下名が,一昨年から開始し始めている,自治体内で,「最終的調整を担う」「アクターや制度のパタン化された相互作用」*3としての中枢的機構観察における対象の一つ.拙稿となり,恐縮ですが,先般取りまとめた「観察ノート」の中では,同市の同職設置については,「部という中間機構が解消されたこと」を受けて設置されたとあり,従来の「部機能の弾力性,機動性を高める」とともに,「部内調整力を向上すること」が目的とされた,とある.具体的には,「各局室の主管課に一名の「統括審議監」を置き,局室主管課以外の審議監には,「特定の業務及び横断的業務を担当し,それに関する職務権限を有する」こと」とされている.同職の設置により,「従来であれば,一つの局内に,同輩の複数部長を置く体制から,原則として,局内を一名の統括審議監と複数の審議監を置く体制と改めた」*4と,観察をしている.
昨年の観察結果からは,同市の企画局は,2名のみを審議監を置く体制ではあったものの,2009年3月5日付の読売新聞の報道によれば,「企画局に14人配置する企画調整担当審議監」を設置とあり*5,同局における同職の大幅な増員.恐らくは,「1局1審議監」の配置を想定されているのだろうか.興味深い.

*1:毎日新聞(2009年3月4日付)「人事:県警第1次 幹部級71人が異動 過去20年で最大規模 /岡山

*2:岡山市HP(市政のあらまし岡山市の行財政改革)「岡山市の行財政改革

*3:伊藤光利「コア・エグゼクティヴ論の展開」伊藤光利編『政治的エグゼクティヴの比較研究』(早稲田大学出版会,2008年)7頁

政治的エグゼクティヴの比較研究 (比較政治叢書4)

政治的エグゼクティヴの比較研究 (比較政治叢書4)

*4:松井望「自治体における中核的機構の管理と統御に関する観察ノート」『都市政策研究』(首都大学東京都市政策コース発行),Vol.3,2009年,173頁

*5:ただ,同職数,以下の報道では10名ともある.要確認.山陽新聞(2009年3月4日付)「岡山市人事異動 過去最大規模 政令市移行後の本庁関係