青森市は10日、自治体経営局と、特別理事の自治体経営監を廃止し、市長公室を設置する条例改正案を6月議会に提出することを明らかにした。
 自治体経営局は06年4月に設置され、総務部や企画財政部などを所管。行政評価をして予算編成に反映させる自治体経営システムづくりを担っていた。自治体経営監は、米塚博前副市長が昨年10月の副市長就任で辞職してから空席となっていた。新しく設置する市長公室は「部」相当の組織で、秘書課や広報課、自治体経営課が担う行財政改革分野などを総務部から移す。市長が命じた政策を進めるほか、鹿内博市長が公約に掲げた「100人委員会」の運営もする。福士耕司総務部長は自治体経営局の廃止について「組織が肥大化し、職員にも分かりづらくなっている」と説明。行政評価は企画調整課が担当する。【鈴木久美】

同記事では,青森市において,自治体経営局及び自治体経営監を廃止し,市長公室を設置する条例案を上提する方針であることを紹介.2009年6月6日付の本備忘録でも取り上げた同市の機構改革の動向のその後.
2009年6月12日付の河北新報の報道にもあるように,新設される市長公室では,「市長公約の実現を進める「政策推進課(仮称)」と秘書課,広聴課で構成」され,「職員は数十人程度を配置」*1される予定とのこと.廃止される「自治体経営局」では,「自治体経営の推進等の総括に関する事項」「自治体経営システムの運営及びその総括に関する事項」「行財政改革の実施及びその総括に関する事項」「前三号に掲げるもののほか,自治体経営に係る総合調整に関する事項」「自治体経営局に属しない部が所管する事項以外の事項(前各号に該当するものを除く)」*2と同市の事務分掌条例(第3条)が規定するように,非常に広範な所掌ではあったものの,同室についても,市長公約の推進という限定されたようではあるものの,分掌される所掌事務は広く,構成される職員も一定規模が配属される模様.
捉え方次第ではあるが,同市において従来「自治体経営局」*3という「同床」(異夢であったかは確認してみないと分かりませんが)に属してきた総務部と企画財政部という2つの「権力核」*4が,今後は,まさに「異床異夢」へと整然と分離され,市長公室において「政策を総合し,社会をどこに導くのかを明確にして,トレード・オフのある政策のうち一方を選ぶ決断」(179頁)を果たす機構として位置付けるという理解が適当なのだろうか.ただ,同機構の重みを想定すると,同市市長がご発言されているように,「部署部門にしっかり対応できるかたを,人選,人事を行うつもり」*5との方針が反映されることが肝要か.