(両御高論ともに,掲載誌の出版研究所において,電子アーカイヴ化されており,閲覧可能)

箕輪允智先生より,ご恵与賜りました.ありがとうございました.
本稿では,「日本の戦後の地方自治における開発分配は現代的にどのような意義を課題を示しているのか」((上)65頁)との問題設定の下,既存の「個別自治体研究」における「「平均」的自治体の研究の少なさ」((上)71頁)への研究動向における問題意識を踏まえつつ,加茂市を分析対象に,綿密な各種資料調査,複数にわたるインタビュー調査を通じて,同市の「統治連合」((上)100頁)の特性としての「レジーム」(同)の抽出と,必ずしも「開発」に回収されない自治体の統治構造の特性を明らかにされた御高論は,まさに「根源的な問い」((下)73頁)を深く,そして,実際的に考えるうえで,大変刺激的でございました.
下名個人の研究関心からは,「行政組織運営の作法」((下)58〜61頁)に関する分析を通じて,御高論における各「歴代市長時の統治構造」((上)84〜96頁)との対比による,自治体における行政組織運営における相異とその特性を大変勉強をさせていただきました.御高論は,個別自治体研究分野において,今後とも参照されつづける一本になるかと存じております.当方もまた,主に行政組織運営に関する観点から,今後とも繰り返し拝読させていただければと存じております.
心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.