【足利】大豆生田実市長は21日、記者会見で新年度の組織機構改革を発表した。近年にない大規模な改革で、行革に関する業務を独立して行う総括責任者として部長級の「改革推進担当監」を新設するのが大きな特長だ。
 改革推進担当監は、市長直属で特定の部に属さない。担当監の下には、市長の指示する業務を行う「特命改革推進員」、行革に関する業務を担う「行政改革推進員」を配置する。特命改革推進員の配置について、大豆生田市長は「選挙公約で掲げた内容を短期間で行うため」と説明。課長級以下の職員を数人配置するという。
 部の再編成では、理財部を廃止し、「政策推進部」を新設。部内に「企画政策課」「財政課」「情報管理課」を配置する。また総務部に「経営管理課」を新設するほか、理財部の廃止に伴い管財課、税務課、収税課を置く。
 市民福祉部を「福祉部」、産業振興部を「産業観光部」に、それぞれ名称を変更。歴史博物館建設の見送り決定に伴い、文化課内にある同建設準備担当を廃止する。広報・広聴業務を行ってきた広報課を市長に直結した機関とするため、秘書課と統合、「秘書広報課」を新設する。
 新年度からは10部53課16課内室で、本年度より5課減って1課内室が増える。職員数は1217人。

本記事では,足利市における機構改革の方針を紹介.
2009年10月23日付の本備忘録で記した,自治体における庁議制度という「自治体内会議」とともに観察をさせてい頂いている対象の一つが,「○○監」の職名をもつ職.同職を通じて,庁議という「自治体内会議」における「総合調整」に至る前段階での,いわゆる「総合調整の総合調整がなされる構図」*1が同職を通じて図られるのではないとの関心から観察.
本記事にて紹介されている同職については「新設」と紹介されているため根拠規定も改定されるものかと思い,同市の「足利市職務執行規則」(昭和56年03月27日,規則第5号)を拝読させていただくと,既に,同規則第21条において「特定職制」の一つとして(同規定にいう「特定職制」が指す含意は判然とはしませんが),「市長が指定する特命事項の指揮管理及び総合調整」として「担当監」*2が規定.職務では「8級」*3と部長級.本記事でいう「改革推進担当監」は「行革に関する業務」という幅広な事項に関する「指揮管理」と「総合調整」の権限を持つことになる.
更に,同規定では「市長及び副市長の秘書」としての「秘書役」や「総合計画の策定並びに政策形成及び市政の重要事項のうち市長が指定する事項の企画及び総合調整」を業務とする「企画政策員」*4を,「特定職」として明記.両職の職級は,「5級」から「7級」までとあり,これは同市の「係長」職から「参事」*5職までに該当する職の模様.本記事でいう「特命改革推進員」や「行政改革推進員」は,後者の「企画政策員」にも該当するのだろうか.要確認.

*1:牧原出『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会,2009年)248頁

行政改革と調整のシステム (行政学叢書)

行政改革と調整のシステム (行政学叢書)

*2:足利市HP(足利市例規集)「足利市職務執行規則」(昭和56年3月27日,規則第5号)」第21条

*3:足利市HP(足利市例規集)「職員の職名等に関する規則」(昭和56年3月27日,規則第8号)別表

*4:前掲注2・足利市足利市職務執行規則)第21条

*5:前掲注3・足利市(職員の職名等に関する規則)