民間の視点で市政運営に助言する2010年度横浜市経営諮問委員の第1回委員会が1日、市庁舎で開かれた。経済・財政、国際経済、経営、社会保障、子ども・青少年、文化芸術、都市政策、環境、防災など市政にかかわる各分野の第一人者を委員に委嘱、策定作業を進めている新たな中期的計画をめぐり活発な意見が交わされた。
 委員には、小林重敬東京都市大学教授・横浜国立大学名誉教授、佐土原聡横浜国立大学大学院環境情報研究院教授、高橋進日本総合研究所副理事長、塚越孝フジテレビアナウンサー・千葉大学客員教授、西山昭彦東京女学館大学国際教養学部教授、広井良典千葉大学法経学部教授、宮本みち子放送大学教養学部教授、若杉隆平京都大学経済研究所教授・横浜国立大学名誉教授の8人が委嘱された。
 冒頭、林文子市長が「市の仕事は多岐にわたり、責任の重さを感じている。指定都市制度にはさまざまな矛盾があり、新たな大都市制度の創設を提案している。中期的計画の策定も進めており、民間の視点でいろいろなアドバイスをいただきたい」とあいさつした。
 委員会では、人口減少、少子高齢化といった市政を取り巻く環境の変化を踏まえ、財政や経済活性化、子育て支援など中期的計画で対応していくテーマをめぐり、各委員が持論を述べ合った。24日には第2回委員会が開かれる。

本記事では,横浜市に設置された横浜市経営諮問委員による,2010年度の第1回委員会が開催されたことを紹介.同委員会に関しては,同市HPを参照*1
同委員会,本記事では「横浜市経営諮問委員の第1回委員会」と表現されているように,同市の規定上は,「横浜市経営諮問委員設置規則」に基づき「本市の将来を展望し,今後の都市経営に資する考え方を市政に反映させることを目的」(第1条)として,「市長に対し,都市経営に関する意見を述べる」(第2条)*2ことをその職務として設置されている「経営諮問委員」という独任制の委員から構成される会議体.
同会議体においても,「行政の発想に留まらない様々な知恵を集めて都市経営に反映する必要」があるとして,「外部の視点・専門的視点からアドバイスや議論の前提となる材料を提供していただくことを目的」とされ,「本委員会で出された意見」については,「都市経営推進会議等における市としての議論を行い」「「都市経営の基本的考え方」や新たな政策に反映」*3されるとも記されている.独任制の同委員が「意見を述べる」「回路」*4であるともいえ,同委員から構成される会議体では,「合議制行政機構一般にあてはまる問題」とも整理される「決定までに時間を要する」*5「意見」集約は,回避される仕組みの模様.
ただ,同委員会における意見を踏まえた「議論」の場に関しては合議体と推察される「都市経営推進会議」とも記載.ただ,同「都市経営推進会議」,2009年10月23日付の本備忘録にて記した,下名の中心的観察課題である「自治体内会議体」の一つとして,同市の「庁議制度」と整理される「都市経営戦略会議・執行会議」以外にも,別途,「会議体」が設置されているという理解が適当なのだろうか.要確認.

*1:横浜市HP(都市経営局本市基本方針・方針検討)「横浜市経営諮問委員会

*2:横浜市HP(市政・市役所横浜市例規集)「横浜市経営諮問委員設置規則」(平成18年12月1日,規則第144号)

*3:前掲注1・横浜市横浜市経営諮問委員会)

*4:金井利之「「国と地方の協議の場」の成立と蹉跌」森田朗・田口一博・金井利之編著『分権改革の動態』(東京大学出版会,2008年)94頁

分権改革の動態 (政治空間の変容と政策革新)

分権改革の動態 (政治空間の変容と政策革新)

*5:今村都南雄, 武藤博己,沼田良,佐藤克廣,前田成東『ホーンブック基礎行政学』(北樹出版,2006年)99頁

ホーンブック 基礎行政学

ホーンブック 基礎行政学