藤沢市事業仕分けが17日、同市朝日町の市役所新館で始まった。2回目の今年は、市民評価員の創設、仕分け人の市民委員枠拡大など、より市民参加型に改善。18日も行い、2日間で44事業について不要、民間移管、要改善、現行通りなどの判定を下す。
 同市は「構想日本」の協力で昨年7月、国に先駆けて26事業の仕分けを実施。結果を受けて、1事業を廃止、1事業を民間移管、5事業を再構築して、約5400万円を削減した。
 今年の最大の改善点は、市民評価員の創設。「市民目線」を生かすため、市内13地区の地域経営会議、市内4大学、公募などから計28人を選出。4班に分け、仕分けを傍聴して意見を述べるほか、候補事業の選定にもかかわった。仕分け人の市民委員枠も、昨年の各班2人から3人に拡大。各班6人の仕分け人の半数が、市民委員となった。残りは「構想日本」のメンバー。また、対象事業は約1・7倍に増やし、仕分けの実施日数も1日から2日に拡充した。初日の仕分けは、2会場で並行して実施。仕分け人が「地球温暖化対策関係事業費」「放課後児童健全育成事業費」などの趣旨や効果を市の担当者にただした。午後3時現在で約150人の市民が傍聴し、仕分け人と市の担当者のやりとりに熱心に耳を傾けた。

本記事では,藤沢市における事業仕分けの取組を紹介.2010年4月24日付の本備忘録にて取り上げた,同市の公募住民の参加形式による事業仕分けの取組.同取組の詳細は,同市HPを参照*1
下名,2010年7月17日付のtwitterにて記録した通り,事業仕分け(及び「事業仕分け的」手法による)取組が叢生するなかで,同種事業の審議過程と判定結果の情報共有もまた可能ではないものだろうかと考え中.同関心からも,同市の対象事業を拝読させて頂くと,まずは,市長室では「CATV視覚広報事業費」,総務部では「貸与被服費」「公文書集配関係費」「基幹系システム関係費」「自主防災育成事業費」の4事業,経営企画部では「人権啓発関係費」「地球温暖化対策関係事業費」の2事業,財務部では「朝日町駐車場管理費」「市税収入確保対策事業費」と「市税等徴収事務費」の3事業,市民自治部では「市民電子会議室関係費」「コールセンター関係費」「市史編さん事業費」の3種類,保健福祉部では「共同生活援助事業費」「地域介護サービス事業費」「高齢者等歯科診療事業費」「墓園事業基金積立金」の4事業,こども青少年部では「歯科保健事業費」「子育て情報ネットワーク事業費」「法人立保育所運営費等助成事業費」「放課後児童健全育成事業費」「青少年相談関係費」の5事業,環境部では「不法投棄防止等対策費」「生活環境美化推進費」「ごみ減量推進事業費」「石名坂環境事業所管理費」の4事業,経済部では「産地強化特別対策事業費」「藤沢産業センター関係費」「新産業創出事業費」「湘南藤沢フィルム・コミッション事業費」の4種類,計画建築部では「建築物等防災対策事業費」「屋外広告物関係費」の2事業,まちづくり推進部では「緑地取得費」「健康の森整備事業費」の2事業,土木部では「交通安全団体等活動推進費」「道路台帳整備費」「歩道等交通安全施設整備費」「自転車対策費」の4事業,消防本部では「応急手当普及啓発推進事業費」,教育総務部では「学校警備関係費」「八ヶ岳野外体験教室事業費」の2事業,生涯学習部では「博物館資料公開活用費」「学習文化センター管理費」の2事業とあり,同市の組織*2における議会事務局,監査委員,選挙管理委員会,農業委員会を除く全ての部における「44の事業」*3が対象とされている.
2010年6月8日付の本備忘録にて取り上げた出雲市のような無作為抽出による住民参加方式,2010年6月14日付の本備忘録にて取り上げた横浜市の公募住民とともに同市会議員の参加形式等のなかで,公募住民方式の制度化に伴い,2010年6月21日付の本備忘録にて言及した,公募住民が「怒りも興奮もなく」評価を進める「「没主観的」な専門家」*4という「評価の官僚制化,あるいは,専門化,またはその双方」へ至る蓋然性は内包しつつあるものの,それでは,むしろ「評価における住民参加を別途行う意味は乏しい」ため「現場知・当事者知あるいは暗黙知*5こそが肝要との認識も首肯できるものの,評価に「割ける時間に自ずと限界がある」*6からこそ,「他自治体の同種事業の審議過程と判定結果の情報共有」もまた必要と考えらなくもなさそう.他自治体における対象事業を集積させて頂き,観察のうえ,更に考えてみたい.