一挙16人を採用する市の職員採用1次試験は19日に市役所などで行われ、市内外から247人が緊張した表情で試験に臨んだ。申し込み者数は過去最大の362人だったが、ふたを開ければ100人以上が欠席した格好。当初の倍率があまりに高かったため敬遠した人が続出したとみられ、受験者にとってはわずかに"光明"が見えた!? 合格発表は10月上旬までに個人あての通知で行う。
 今回は37年ぶりに一般事務職の採用が10人を超えるなどで話題となったほか、 相変わらずの不況で安定した公務員人気を反映。 一般事務職をみると、 採用13人に対して332人が申し込みし、 倍率は25・5倍だった。 しかし、 実際に試験を受けたのは約3分の2の225人で倍率は17・3倍。 依然狭き門といえるが、 結局昨年の19・8倍を下回るまでに落ち着いた。 ほかの職種も同様で採用人数、 申し込み者数、 受験者数の順にみると土木技術職は1人、 11人、 7人、 建築士は1人、 6人、 4人、 保育士は1人、 13人、 11人。 会場は例年の市役所以外に議会棟、 福祉センター、 御坊商工会議所にも設けていたが、 所々空席が目立っていた。
 市担当課では 「この日は周辺町でも職員採用試験が行われた。 市の職員採用試験は市内外問わず受験できるが、 重複して申し込んでいた人はあまりの申し込み者数の多さに受験を敬遠したのではないか」 と話している。 優秀な人材確保にはより多くの受験者にチャレンジしてもらう方がありがたいが、 受験生にとっては人生がかかった大きな問題で、 悩んだ末にそれぞれの選択をしたようだ。 2次試験は10月24日午前9時半からで、 面接が行われる。 柏木征夫市長は9月議会定例会で 「救急救命士、 手話通訳、 英会話など何らかの資格などを持っている人が加点される。 面接だから面接する側の主観が入るが、 できる限り客観性を持たせる努力をしたい」 と発言している。

本記事では,御坊市における職員採用の取組を紹介.同採用状況に関しては,同市HPを参照*1
本記事にて紹介されているように,同市における「平成23年4月採用分」の4職種のうち,例えば,「一般事務職」に関しては,「13名」の募集のところ,「332名」の「申込者」があったことが分かる,本記事を拝読すると,実際の受験者は「225人」となり,107名は,同日の受験を回避された模様.本記事では,同「市担当課」の方による「周辺町でも職員採用試験」があり,募集倍率の高さから同市の試験を回避されたとの認識も紹介.なるほど.
2010年1月7日付の本備忘録にて記した,市区町村における採用試験日の「設定」*2に際しての,「併願者の抑制」と「試験問題を活用」*3により,採用試験日の「相互参照と横並び競争」*4に伴う収斂化.一方で,収斂化された日程であるからこそ,受験者もまた「相互参照と横並び競争」を図り,容易に「離脱」*5の選択がなさるとも解することができそう.採用試験日の設定は,悩ましい.

*1:御坊市HP(組織案内総務課)「御坊市職員採用情報

*2:福島貴希「都市自治体における職員採用」村松岐夫・稲継裕昭・財団法人日本都市センター編著『分権改革は都市行政機構を変えたか』(第一法規,2009年)155頁

分権改革は都市行政機構を変えたか

分権改革は都市行政機構を変えたか

*3:石井淳子「地方公務員の採用の現状」大森彌編『行政管理と人材開発』(ぎょうせい,1993年)113頁

行政管理と人材開発 (21世紀の地方自治戦略)

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*4:伊藤修一郎『自治体政策過程の動態』(慶応義塾大学出版会,2002年)287頁

自治体政策過程の動態―政策イノベーションと波及

自治体政策過程の動態―政策イノベーションと波及

*5:A.O. ハーシュマン『離脱・発言・忠誠』(ミネルヴァ書房,2005年)25頁

離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応 (MINERVA人文・社会科学叢書)

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