海老名市選挙管理委員会は10日、2003年11月の市長選・市議選で、県内で初実施した電子投票から撤退すると発表した。投票機器の借り上げが高額なことや機器の信頼性が確保されていないため、関連条例を廃止した。来年11月に予定されている同選では手書き方式を採用する。
 同市は03年11月の同選で全国7例目となる電子投票を実施。しかし、投票機器に障害発生し結果の確定が大幅に遅れた。07年の同選では機器の信頼性が確保できていないことなどから手書きの投票方式に戻していた。

本記事では,海老名市において,同市長選挙,市議会議員選挙において,いわゆる「電子投票」から「自書式」へと改めて実施される方針であることを紹介.
「人の頭をかち割る代わりに」「その頭数を数えることによって,ものごとを決する仕掛け」*1が投票制度であるならば,制度面における「デモクラシーにとっての安定性」*2を図るうえでは,その頭数としては,物理的に存在する自書式が最適ということなのだろうか.興味深い.
なお,本記事では,同市では「関連条例を廃止」とも報道.同記事で紹介されている「関連条例」とは,「海老名市議会の議員及び海老名市長の選挙における電磁的記録式投票機による投票に関する条例」*3とも想定されるものの,ただ,平成18年第4回定例会における同条例の「附則」への「平成19年執行の市議会の議員の選挙及び市長の選挙には適用しない」*4文言を追加の一部改正以降,同市議会の「市議会の会議結果」*5を確認させて頂くものの,同条例の「廃止」に関しては,その審議及び議決結果は把握ができない.既に「廃止」の議決がなされたのだろうか,要確認.

*1:田辺国昭「選挙における得票と議席広田照幸・川西琢也編『こんなに役立つ数学入門』(ちくま書房,2007年)62頁

*2: ロバート・A.ダール, ジャンカルロボセッティ『ダール、デモクラシーを語る』(岩波書店,2006年)152頁

ダール、デモクラシーを語る

ダール、デモクラシーを語る

*3:海老名市HP(海老名市例規集)「海老名市議会の議員及び海老名市長の選挙における電磁的記録式投票機による投票に関する条例」(平成15年6月13日,条例第14号 改正 平成18年12月22日条例第41号

*4:海老名市HP(海老名市議会市議会の会議結果)「平成18年第4回定例会(12/1〜12/19)会議結果

*5:海老名市HP(海老名市議会)「市議会の会議結果