鹿児島市が2009年度に受け入れた自治体議会の行政視察は167組1256人で、全国40の中核市で最多だった。かごしま環境未来館(同市城西2丁目)や緑化が進む市電軌道敷の見学など、市が推進する環境施策が注目されたようだ。
 同市議会事務局が、39市に政策などを照会して分かった。2番目は前年最多の富山市で161組だった。08年10月にオープンした同館を訪問したのは47組。視察団は展示物を見学し、職員らに太陽光発電などの設備、同館を拠点とした環境学習の取り組みについて説明を受けたという。市環境協働課によると、熱心に質問したり、後日再訪したりする参加者もいた。村川清一課長は「環境への関心は高まっているが、拠点施設はまだ少ない。他地域とのネットワーク構築のきっかけに」と期待する。市電軌道敷の緑化については、路面電車のない地域からも視察団が来訪。公園緑化課によると、地表温度の違いや騒音抑制効果などに強い関心を示していたという。
 黒字経営の市立病院、中高一貫教育玉龍中・高も関心を集めた。議会事務局の厚地保洋政務調査課長は「来年度以降も、子育て支援の『りぼんかん』開設、九州新幹線全線開業などで視察が増えそう」と話す。鹿児島市議会は09年度、北海道、関東、関西などへ16回の行政視察を行っている。

本記事では,鹿児島市への「2009年度」の行政視察の受け入れ状況を紹介.
同市における行政視察の受け入れに関する取組を把握しようするものの,本日は,同市HPには接続が出来ない模様,残念.本記事にて中核市第2位に「最多」受け入れ都市と紹介された富山市に関しては,同市議会事務局の議事調査課調査課が「行政視察の受入れに関すること」*1が所掌されており,庁内調整を図られている.同市においても,接続可能後,要確認.
2009年6月15日付の本備忘録では,別府市における,行政視察の受け入れに対する満足度調査の取組を取り上げたものの,やはり,視察側の視察後の利活用状況は,どうなるのだろうか.もちろん,各自治体への「相互参照」*2が少なからず観察できるとは想定されるものの,その場合,視察側でも採用に至る,いわば積極的な相互参照という形態が多いのだろうか.はたまた,採用の「不決定」(の決定)に至る,いわば消極的な相互参照の「根拠が明確な政策と実践」(evidence-based poliy and practice)*3としても形態も想定されなくもない.行政視察後の利活用状況は,要確認.

*1:富山市HP(富山市例規集)「富山市議会事務局処務規程」(平成17年5月16日,富山市議会訓令第1号)第3条第1項

*2:伊藤修一郎『自治体発の政策革新』(木鐸社,2006年)30頁

自治体発の政策革新―景観条例から景観法へ

自治体発の政策革新―景観条例から景観法へ

*3:Sandra M. Nutley(2007)Using Evidence: How Research Can Inform Public Services,The policy press:13.

Using Evidence: How Research Can Inform Public Services

Using Evidence: How Research Can Inform Public Services