横浜市の2011年度の予算編成で、当初、約200億円の収支不足が見込まれた中、事業見直しや市役所内部の経費削減など行政改革を推進した結果、経費削減効果の総額が約80億円(660件)に上ることが23日、分かった。人件費削減や事業の廃止、縮減などで財源を捻出した。当面は厳しい財政状況が続くとみられ、09年度から2カ年限定で設置した「しごと改革推進室」は11年度以降も存続させる方針。
 11年度の予算編成過程では、同室を中心に既存事業を対象に、廃止も含めた事業見直しを進めた。主な取り組みでは、福祉人材緊急確保事業、横浜型債券市場推進事業、環境と地域経済推進事業(横浜環境ポイント)、リサイクルプラザなどを廃止するほか、外郭、関係団体への補助金、委託料や政府系公益法人などに対する負担金も見直す。職員定数の見直しも引き続き行い、全会計で72人の削減を見込む。また、職員会館の廃止など職員福利厚生事業の見直しも行うとともに、市立動物園管理運営事業と海釣り施設などの施設管理費についても縮減。さらに家庭ごみ収集事業の民間委託や保育所の民間移管(4園)なども実施する。
 当面は厳しい財政状況が続き収支不足が見込まれることから、仕事の効率化、事業の検証、見直し、外郭団体の経営改善で実績を上げたしごと改革推進室を存続させる必要があると判断。11年度以降も内部での行革努力に加え、第三者による事業評価などにも取り組んでいく方針だ。同市の11年度の一般会計は前年度比2%増の約1兆3900億円を計上する見込みで、2年ぶりのプラス編成となる。市税は3年ぶりに増加に転じる見通しだが、生活保護費など扶助費全体が14%増に膨らむなど、財政当局は本年度同様「非常事態」と捉えている。

本記事では,横浜市に設置された「しごと改革推進室」*1を通じた行政改革の取組結果を紹介.2009年5月27日付の本備忘録にて,同市が策定された「しごと改革取組の方向性」*2について取り上げた同室の取組.「しごと改革」の実施状況に関しては,同市HPを参照*3
2009年5月27日付の本備忘録内で言及した同方針内では,「庁内会議開催にあたってのガイドラインの策定」や「不必要に多い人数・時間・回数を費やしている会議を改善」「庁内会議の整理・統合」,そして,「庁内会議の見直し」*4の取組が提示されていたたなか,2010年「9月に「会議の運営に関するガイドライン」を策定し,職員向けに発信」され,「今後は,庁内会議の整理・統合にむけ,関係各課と協議を行う」「取組状況」*5ことが示されている.「各参加者が直接かつ同時に他のすべての人々の見解に接すること」*6が可能ではあるものの,やはり「会議はどうせ時間の浪費にすぎない」*7か否かは,会議体の内容と運営次第とは思わなくはないものの,同協議結果もまた.要確認(同協議もまた会議体で開催されたのでしょうか).
特に,同「方向性」内では,「意思決定機能を有する庁内会議(戦略会議・執行会議等)で決定の場合,方針伺を省略する」との取組が記載されていたものの,2009年10月23日付の本備忘録にて記した,下名の中心的観察課題である「自治体内会議体」の観点からも,同市では,2010年4月から戦略会議・執行会議の複層式の庁議制度から経営会議の単層式の庁議制度へ移行*8されたことに伴い,同取組もまた,同様に採用されているのだろうか.こちらも興味深そう.

*1:横浜市HP(総務局)「しごと改革推進課

*2:横浜市HP(総務局しごと改革推進課しごと改革「しごと改革」始動!(平成21年5月25日 記者発表資料))「しごと改革取組の方向性〜 事業の間伐とマネジメント改革に取り組みます 〜

*3:横浜市HP(総務局しごと改革推進課しごと改革)「「しごと改革」始動!(平成21年5月25日 記者発表資料)

*4:前掲注2・横浜市(しごと改革取組の方向性〜 事業の間伐とマネジメント改革に取り組みます 〜)5頁

*5:横浜市HP(総務局しごと改革推進課しごと改革])「しごと改革の取組〜 マネジメント改革と事業の間伐を実践 〜」4頁

*6:H.A.サイモン,V.A.トンプソン, D.W.スミスバーグ『組織と管理の基礎理論』(ダイヤモンド社,1977年)248頁

組織と管理の基礎理論 (1977年)

組織と管理の基礎理論 (1977年)

*7:C.N.パーキンソン『パーキンソンの法則』(至誠堂,1981年)61頁

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

*8:横浜市HP(都市経営局本市基本方針・方針検討)「横浜市経営会議の概要