本県の虫歯のある子どもの割合は、中学生を除いて全国平均より高いことが2010年度の文部科学省の調査で分かった。特に幼稚園児では平均を約7・2ポイント上回る53・3%と、半数を超えている。小学生と高校生も平均より高い。県は4月から施行した「県民の歯および口腔の健康づくり推進条例」(歯科保健条例)に基づき、子どもの虫歯の改善に向け取り組みを進める。
 調査は、県内7万3988人の児童生徒らが対象。虫歯のある子どもの割合は、小学生で全国平均より約1・3ポイント高い60・9%。高校生では約7・2ポイント高い67・1%と、7割近くに上る。一方、中学生は0・6ポイント低い50・0%と、過去5年間で初めて全国平均を下回った。虫歯のある子どもの割合は、06年度から全国、本県ともに減少傾向にある。幼稚園児の全国平均は2年連続で50%を下回ったが、本県では5割以上の状況が続いている。
 県保健福祉部は「全国平均より虫歯のある子どもの割合の減少スピードが2〜3年遅れている」とした上で、「先進県に比べると際だった歯科保健施策がない」と施策の遅れを認める。こうした背景もあり、本県は4月に歯科保健条例を施行。歯の健康づくりに向け、県民の自助努力を基本に県や市町、歯科医師ら関係機関が連携して取り組むことを明確にした。
 条例に基づき県は本年度中にも、予防の知識啓発や歯科検診受診率向上などの対策をまとめた「歯科保健基本計画」を策定する。また、子どもに対しては歯磨きの習慣化や、かかりつけ歯科医による定期指導などを促す。県保健福祉部は「体系化した施策を進めることで、虫歯のある子どもの減少につながれば」と期待している。)

本記事では,栃木県における「県民の歯および口腔の健康づくり推進条例」に基づく取組を紹介.同県の同条例の概要に関しては,同県HPを参照*1.同種の条例は,2008年6月に新潟県で制定された「新潟県歯科保健推進条例」*2に端を発し,同県の調べでは,同条例制定までに「13」の「都道府県」*3で制定されている模様(恥ずかしながら,同種の条例が各地で制定されていることを初めて知りました).
本記事を拝読させて頂くと,「子どもの日」での報道であったためか,対象を子どもに限定した条例なのかなあとも思いつつ,同条例を紹介されている「リーフレット」も拝読させて頂くと,「ライフステージに応じたケアが重要」*4との記述もあり,世代を問わず,その対象とされている.その場合,「歯および口腔の健康づくり」は,同条例第2条自ら規定されているように「県民自らの歯及び口腔の健康づくりのための努力を基礎」との規定からも,県民個々人の責任と管理に基づくことが前提.ただ,その場合,「歯及び口腔の健康づくり」に無自覚又は自堕落の方々に対して,「未然防止アプローチ」*5を取った「自発的」*6な行動の慣習化へと促すためへの「歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策」(同条例第3条第1項)*7とは,果たして具体的にはどのような施策になるのだろうと,妙に興味が惹かれる.具体的な施策の実施状況は,要確認.

*1:栃木県HP(福祉・医療健康・保健衛生生活習慣病)「歯科保健に関する条例が制定されました

*2:新潟県HP(健康・医療・衛生)「全国に先駆けて制定 「新潟県歯科保健推進条例」のページ

*3:前掲注1・栃木県(歯科保健に関する条例が制定されました)

*4:栃木県HP(福祉・医療健康・保健衛生生活習慣病)「歯科保健に関する条例が制定されました)「栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例」(平成22年12月21日公布・平成23年4月1日施行)

*5:北村喜宣『環境法』(弘文堂,2011年)68頁

環境法

環境法

*6:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),97頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

*7:栃木県HP(福祉・医療健康・保健衛生生活習慣病歯科保健に関する条例が制定されました)「栃木県条例第五十号栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例」」