岡山県議会は16日の臨時会で、道州制を調査する特別委員会を廃止し、地方分権全般を調査する特別委員会の新設を議決する。政府や全国の自治体で道州制の議論がトーンダウンしている現状を踏まえ、議会として広域連合などの研究を本格化させる。
 従来の「行財政改革道州制等特別委員会」を廃止し、「行財政改革・夢づくり等特別委員会」を新設。特別委の名称から道州制を外す。調査内容については全3項目のうち、「行財政改革」「新おかやま夢づくりプラン」の2項目は継続する一方で、3項目の「道州制」を「地方分権推進」に改める

本記事では,岡山県議会に設置されていた特別委員会を廃止される方針であることを紹介.同委員会の2008年度から2010年度の調査内容は,同県議会HPを参照*1
本記事を拝読させて頂くと「政府や全国の自治体で道州制の議論がトーンダウンしている現状」を踏まえて,同特別委員会を廃止される模様.実際に,同特別委員会での付託事件名をカウントしてみると,2008年度は「第3次行財政改革に関する調査」が8回,「政令市に関する調査」が4回,「道州制に関する調査」が3回,2009年度は「行財政改革に関する調査」が13回,「新おかやま夢づくりプランに関する調査」が5回,「道州制に関する調査」が2回,2010年度は「行財政改革に関する調査」が11回,「新おかやま夢づくりプランに関する調査」が3回,「道州制に関する調査」が2回とあり,なるほど,この3年間では,概ね「行財政改革」が31回,「夢づくりプラン」が8回,「同州制」が7回,「政令市」が4回と,同特別委員会においても道州制の議論についてはやや抑えめで,「行財政改革」と「夢づくりプラン」が大宗を占めてきた様子が窺われれる.
果たして,「日本の中央地方関係の特質」として,「「領域」よりも「機能」が強く影響し,多様性を許容する「領域Ⅱ」よりも画一性が強い「領域Ⅰ」を志向する傾向がある」*2からゆえなのか,議論は重ねられるものの制度化には至らないためか,当分の間は,議論が行われなくなり,しかし,しばらくすると,議論が再発するという,道州制論議をめぐる不思議な議論サイクルの要因は,考えてみたい課題.

*1:岡山県HP(岡山県議会委員会情報:過去の委員会の概要)「行財政改革・道州制等特別委員会 平成20年度」「行財政改革道州制等特別委員会 平成21年度」「行財政改革道州制等特別委員会 平成22年度」

*2:山崎幹根『「領域」をめぐる分権と統合』(岩波書店,2011年)43頁