市内に空き家が目立つ呉市が本年度から始めた撤去費用の補助事業で、空き家の持ち主からの申請が相次いでいる。市は年間10件の補助を想定していたが、申請は既に26件に達した。老朽化した空き家は倒壊などの恐れもあり、市は予算の増額を検討する。
 市建築指導課によると申請のあった26件のうち、国の基準に基づく調査などにより16件を危険な建物と認定し、うち9件に対して費用の交付を決めた。市の事業は、空き家を取り壊す所有者に対して30万円を限度に費用を補助する。市内には約2万戸の空き家があり、空き家率は全国平均の13・1%や広島県内平均の14・6%を上回る17・1%に上る。市の試算では2万戸のうち約4600戸が築50年以上とみられる。倒壊の恐れがある空き家の付近に住む市民からの苦情や相談も市に寄せられている。

本記事では,呉市における空き家撤去への費用補助の申請状況を紹介.同取組は,「呉市危険建物除却促進事業」*1
同取組では「市内に存する危険建物の倒壊等による近隣及び道路への危険防止」を目的として,「市の予算の範囲内で助成」し「危険建物の除却」*2することが目的.対象建物は,まずは同「市に存する建物」であり,「戸建て住宅,長屋,共同住宅,併用住宅で居住の為の建物
」であること,そして「 住宅の不良度判定基準」かつ「周辺への危険度判定の基準を満たした建物」であることを満たし「危険建物」と「認定」された建物が対象.「補助額」は「補助対象工事に要する経費の30%」かつ「30万円以下」*3と規定されており,実際の経費のうち何れかの基準の低価となる額を交付.本記事を拝読させて頂くと,同「市は年間10件の補助を想定」されていたものの,「空き家の持ち主からの申請が相次」ぎ,現段階までで「申請は26件」.「現金主義(cash‐basis)」*4による経済的手法による効果とも整理ができそうな一例.
ただし,本年度の申請期間が「11月30日まで」*5であるため,申請数の更なる増加も想定されることから,「市は予算の増額を検討」されている模様.上記の通り「市の予算の範囲内で助成」との規定があるなかで「増額を検討」されるという趣旨は今一つ判然とはしないものの,本年度内での補正予算による増額を検討されているのだろうか.要確認.

*1:呉市HP(呉市役所組織一覧都市部建築指導課)「呉市危険建物除却促進事業

*2:呉市HP(呉市役所組織一覧都市部建築指導課呉市危険建物除却促進事業)「呉市危険建物除却促進事業」1頁

*3:前掲注2・呉市呉市危険建物除却促進事業)1頁

*4:Michael Howlett.2010.Designing Public Policies: Principles and Instruments, Routledge:102.

Designing Public Policies: Principles and Instruments (Routledge Textbooks in Policy Studies)

Designing Public Policies: Principles and Instruments (Routledge Textbooks in Policy Studies)

*5:前掲注1・呉市呉市危険建物除却促進事業)