奈良県生駒市は18日、市民向け窓口を受け持つ五つの課を除いて市役所本庁舎を閉庁した。お盆明けの平日は例年、世間の電力使用量がピークを迎える一方、来庁者は少なく、節電のため19日まで実施する。
 本庁舎ではこの日、職員約450人のうち約380人が夏休みなどをとった。5階建て庁舎は、市民課や課税課などがある1階を除いて空調や照明が止められ、ひっそりとしていた。市は2日間で、8月分の電力使用量を昨年比で5.2%減らせると見込む。山下真(まこと)市長は「来庁者は普段より少ないようで、市民の理解も得られたのでは」と話した。(東裕二)

夏の緊急節電策として西宮市は18、19両日、市役所本庁舎などを正午で閉庁する。奈良県生駒市も両日閉庁するが、阪神間では西宮市だけの試み。市は周知のため、ポスター800枚、チラシ2000枚を用意し、市の施設のほか、電車の駅や病院などに掲示を依頼している。
 閉庁するのは本庁舎、教育委員会庁舎、南館、東館で、市民向けの出入り口を閉鎖。冷房を停止し、全館消灯する。午前9時から正午までは通常通り開庁する。市は7〜9月に月間10%の節電を目標に掲げており、半日閉庁で電気使用量を2・4%削減できる見込みという。市は「電力使用量のピークカットに貢献できれば」としている。市職員は有給休暇を取得する形になるが、ある職員は「節電の趣旨を考えて家に帰っても冷房を控えるなどして過ごしたい」と話していた。閉庁中も本庁舎2階に臨時窓口を設け、自動車の臨時運行許可などは受け付ける。市内8カ所の支所・サービスセンターは午後も開庁する。【大沢瑞季

両記事では,生駒市と西宮市における閉庁の取組を紹介.両取組に関しては,各市HPを参照*1 *2
生駒市では,「市民課」の「証明書交付業務(住民票の写し・(印鑑証明,戸籍証明など)」,「課税課」の「証明書交付業務(納税証明,所得証明,課税証明,非課税証明,事業証明(評価証明など)」,「収税課」の「税収納事務」,「国保年金課」の「国民健康保険証の発行」,「会計課」の「会計事務」*3を除き閉庁.方や,西宮市では,更に限定的となり,「税務管理グループ」による「自動車等の臨時運行許可」,「税務管理グループ」の「住宅用家屋証明」,「商業振興グループ」の「中小企業に対する融資のあっせん業務及び各認定」*4を除き閉庁.これら閉庁のなかでの実施業務の考え方と実施対象の差異も興味深そうな観察課題.
2011年8月19日付の毎日新聞によると,同日の「電力使用量」は,「東京電力管内」では「今夏最大」であったものの,両市が位置する「関西電力」管内も「当初の使用率は90.30%と見込」れてはいたものの,「中国電力四国電力からの融通」等を通じて「実際の使用率は88.56%にとどまった」*5とも報道.結果的には,「短期的自己利益を追求」し「消費」しつくしてしまう,いわば電力使用の「コモンズの悲劇」*6には至らなかった模様.今後,閉庁によるこれら電力使用量への効果の把握が行われると,他の自治体への波及効果も想定されなくもなく,興味深そう.

*1:生駒市HP(新着・お知らせ一覧新着・お知らせ詳細【特別節電対策】8月18日(木)・19日(金)の2日間を閉庁し、昼休みの休憩時間を変更します。)「生駒市役所閉庁のお知らせ

*2:西宮市HP(市政情報市のプロフィール市役所の執務時間)「市役所閉庁(午後)のお知らせ 〜8月18日(木)・19日(金)〜

*3:前掲注1・生駒市生駒市役所閉庁のお知らせ)

*4:前掲注2・西宮市(市役所閉庁(午後)のお知らせ 〜8月18日(木)・19日(金)〜)

*5:毎日新聞(2011年8月19日付)「電力使用量:東電、90.40% 関電は中部電から融通

*6:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),259頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

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