政府は19日、第30次地方制度調査会(首相の諮問機関)の会長に、東大名誉教授で財団法人東京市政調査会理事長の西尾勝氏(72)を起用する方針を固めた。24日の初会合で、委員による互選で選出される。
 第30次地制調は、7月に片山善博総務相が設置を表明。地方税に関する条例制定を住民が自治体に直接請求できるようにすることや住民投票の結果に法的拘束力を持たせることの是非を含め、地方自治法改正の方向性などを議論する。西尾氏は、過去の地制調や、政府の地方分権改革推進委員会の委員などを歴任した。

本記事では,政府における地方制度調査会の開催予定を紹介.
2011年6月30日付の本備忘録にて,「早ければ8月までに初会合を開く方針」との報道も記録した第30次の同調査会.上記の当初の開催日程では開催されずにいたものの,2011年8月19日付の総務相への「閣議後記者会見の概要」を拝読させて頂くと,「「政局になって,なかなか,いろいろなスケジュールが立て込んできたということ」,そして,「ある程度の人数の委員の皆さんに就任して」もらうために「一人一人丁寧にお話をして,御本人たちの同意を得る作業」に「日数を要し」たこと,更に「総理の方から」「政治の環境の中」「今国会中」という「今の内閣の任期」という「事実上の任期」「の中で」「どうしてもやっておかなければいけないものについては,それぞれの大臣がよく整理をして,整理をして」「この内閣でやっておくべきことと」と「きちっと次の内閣に引き継ぐものとをよく整理をし」「それぞれがうまく,円滑に行くようにしてくださいという指示」があったことがその理由として指摘され,まさに「今の内閣の下でやっておきたい」*1ことの一つとして位置付けられたこともあり,「来週には開催できる運び」とも説明された同調査会.8月24日に第1回目の会合が開催される予定とのこと.
上記記者会見では,同調査会への「諮問事項」は,「地方自治法の改正ということが当然」としても,「それと重複する面ももちろんあ」るとの留保が示されつつも,「地方議会の在り方」や「災害対策基本法」や「そういうものとの関連」*2に関しても諮問される模様.ただ,同会見では「地方議会の在り方」に関しては,「制度面だけではなくて,運用面も含めてですね,議論をし」「改善に資するようにしたい」*3との見解も示されている.確かに,「制度の多様性」*4からすれば,「運用」もまた一つの「制度」とも位置付けられるものの,「運用」に対する制度的措置としては,答申がなされることになるのだろうか,要経過観察.

*1:総務省HP(広報・報道大臣会見・発言等)「片山総務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年8月19日)

*2:前掲注1・総務省(片山総務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年8月19日))

*3:前掲注1・総務省(片山総務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年8月19日))

*4:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),167頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

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