鳥栖市で県内初の「健康マイレージ制度」がスタートした。市民が健康づくりに取り組んだり、検診を受けるたびに与えられるポイントを集めれば、さまざまな行政サービスが受けられる仕組み。17日には制度を分かりやすく紹介する寸劇で市民の参加を呼び掛けた。
 同制度は20歳以上の市民を対象に、楽しみながら生活習慣の改善や検診の受診率向上につなげる狙い。自分で設定した目標の達成度や地域の健康づくりイベントへの参加に応じて与えられるポイントで、幼稚園や小中学校への寄付など社会貢献や、図書カードやクオカード、がん無料検診券などに賞品交換ができる。市民文化会館で17日あった「うらら鳥栖講演会」では、鳥栖市民劇団が「よかばいマイレージ」のテーマで寸劇を披露。ラジオ体操など自分でできる毎日の健康づくりに加え、検診や地域行事への参加もポイント対象となることなど、仕組みやメリットを伝えた。内科医で作家のおおたわ史絵さんの講演や市民代表の健康都市宣言もあった。市は今月から会員募集を開始。受付期間は11月30日までで、本年度、千人の参加を見込んでいる。問い合わせは市健康推進課、電話0942(85)3650。

本記事では,鳥栖市における「健康マイレージ制度」の取組を紹介.同制度の概要は,同市HPを参照*1
「平成25年3月31日までに20歳以上になる市内居住者」は,二つの賞を自己申請することが可能とされており,一つは,「自分へチャレンジ賞」として,「健康づくり」に関する「毎日」の「目標」を設定し,「実施期間中」で「達成した日に〇をつけ」る方式と,もう一つは「参加しま賞」として,「健診を受診」「健康につながるイベント」への「参加」や「地域の行事に参加」という「3つ」の目標を「設定」し「達成した項目に〇をつけるもの.このように「運動や生活習慣の改善,健診の受診などの健康づくりに取り組む」ことで「ポイント」が貯まり,「貯まったポイント」は,同「市内の幼稚園や保育園,小・中学校への寄付」か「健康診査・各種検診の無料受診券」や「クオカード,図書カードとの交換」*2が可能とされている.
なるほど,「社会貢献(寄付)」と「賞品」*3という二つの動機付けが「健康をめぐる賄賂」捉え方*4となり,個々人の健康促進行動を促す仕組みともなっている.一方で,二つめ動機付けから,健康な方々が健康づくりに取り組み,同制度を利用される「逆淘汰」*5の虞も考えられなくもない.その対応も制度化されているのだろうか.要確認.

*1:鳥栖市HP(健康・医療・福祉健康・医療健康のために)「うらら健康マイレージクラブ

*2:前掲注1・鳥栖市(うらら健康マイレージクラブ)

*3:前掲注1・鳥栖市(うらら健康マイレージクラブ)

*4:マイケル・サンデル『それをお金で買いますか』(早川書房,2012年)88頁

それをお金で買いますか――市場主義の限界

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*5:伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』(有斐閣,2012年)149頁

ひたすら読むエコノミクス

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