大館市が市内4地区の70歳以上の高齢世帯を対象に、昨年10月から試行している証明書の宅配サービスの利用がまだ一件もない。高齢化が進む中、県内自治体で最初となる新たな行政サービスとして注目されたが不発だった。試行期間は1年間。期限まであと3カ月だが、市は「PR方法や対象世帯の年齢の引き下げなどサービスを見直し、利用増を図りたい」としている。
 行政サービスの向上を目指した取り組みの一環。中山間地の雪沢、岩瀬、早口の一部と比内町大葛に住む、70歳以上だけの世帯計144戸を対象にスタートした。宅配する書類は住民票の写しや所得証明書、納税証明書、非課税証明書など8種類。電話などで受け付け、本庁の市民、税務両課と田代、比内両総合支所の職員が依頼者宅を訪ね、その場で本人確認などを行った後に書類を手渡す仕組み。市は試行に当たり、市広報にチラシを折り込んで対象地区全戸に配布してPRした。

本記事では,大館市における「証明書等の宅配サービス」の取組状況を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1」.
宅配される証明書は, 「住民票の写し」「戸籍附票の写し」「所得証明書」「課税証明書」「非課税証明書」「評価証明書」「公課金証明書」「納税証明書」の8種類.同市内の「雪沢地区の一部」「大葛地区の全部」「岩瀬地区の一部」「早口地区の一部」に居住し「身体の状況や交通手段等の関係」から「市役所(支所,出張所)に出向くのが困難」であり,「全員が70歳以上で構成されている世帯の方等」に限定.ただし,「同居していない家族」や「知人等に依頼できる方」は「除かれ」ている.料金は「通常の証明書の発行手数料」のみであり,宅配料は無料.2011年10月1日から2012年9月30日までの期間で「試行的に実施」*2されてきたものの,9ヶ月めの現状では,「まだ一件もない」ことを本記事では紹介.「70歳以上」の方々にとって,8種類の証明書の発行は,元来「政策必要量」*3が高くはないものなのだろうか.要確認.

*1:大館市HP「証明書等の宅配サービスを始めます!

*2:前掲注1・大館市(証明書等の宅配サービスを始めます!)

*3:大森彌「地方行革ーこれまでとこれから」『ガバナンス』No.134,2012年6月号,15頁

ガバナンス 2012年6月号

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