葉山町は29日、副町長を30日から公募する、と発表した。学科試験はなく、「人物本位、実績重視」で選考。９月議会に提案し、10月１日付で辞令を交付する方針。県内自治体では副市長、副町長の公募は例がないという。
町では２００７年12月から副町長が空席のままとなっている。公募は今年１月に初当選した山梨崇仁町長が「しがらみのない町政」を掲げて発案。町ホームページ（ＨＰ）に公募用ページを設け、自ら出演する映像で応募を呼び掛ける。応募資格は12年10月１日現在で満30歳以上。主な役割は(1)機構改革を含めた行財政改革(2)情報発信と収集―で、町内に居住できる人。任期は４年間、年収は約１０５５万円。
１次選考期間は30日正午から７月11日正午まで。エントリーシートに自己ＰＲなどを記し、電子申請する。２次選考はウェブ上での適性検査で同月20日前後。３次選考は町役場での小論文の執筆で同月29日ごろ。４次選考は総務部長らによる面接で８月10日前後。５次選考は町長と教育長による面接で同月18日ごろ。受験に関する電話、電子メールによる問い合わせは一切受け付けないという。
本記事では，葉山町における副町長職候補者の公募の取組を紹介．同職公募の取組は，同町HPを参照*1．
同町では，同職の候補者1名を募集．同職には，「行財政改革」と「情報発信と収集」の２つの「役割を期待」されており，人物としては「組織運営や人材育成に強い関心がある方」であり，「「攻めの情報戦略」により，分かりやすい情報発信・収集ができる方」，「自ら動き、細かく気づくことができる方」，そして「葉山町内に居住できる方」を想定されている．要件は，「日本国籍を有し」「平成 24 年 10 月1日時点で満 30 歳以上の方」であり，「 地方自治法第164 条及び地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない方」，「暴力団の構成員又はこれに準ずる者でない人」*2．就任後の「給料月額」は「599,000 円」，また「期末手当」が「年間 3.85 月分」*3となる．
選考手続は5次選考まで行われる．まず「1次選考」では「電子申請」で「登録」した「エントリーシート及び職務経歴書により選考」される．「エントリーシート」では6項目を「文字数は自由」で記入．具体的には，項目の一つめは「葉山町にどのようなイメージを持っていますか」，二つめは「副町長候補者に応募した理由は何ですか」，三つめは「行政経験又は行政との関わりを持った具体的な事例をあげ，その時に取り組んだプロジェクト，政策等を記載してください」，四つめは「前問で記載した経験等を，副町長の業務でどのように活かせると思いますか」，五つめは「葉山町の５年後，１０年後にあなたは，どのように貢献できますか」，最後には「あなたの意気込み，熱意を自由に書いてください」*4とある．意欲，実績，将来性のいずれも明記することが求められている．
その後の「2次選考」では「1次選考合格者に対し，Web上での適性検査を実施」ともある．2009年6月3日付，同年7月24日付，同年8月22日付では豊岡市，2009年8月8日付，同年9月9日付，同年10月16日付では瀬戸内市，2010年1月8日付，同年2月15日付，同年3月14日付,同年4月18日付，同年5月30日付では松阪市，2011年1月27日付，同年3月6日付，同年6月9日付では生駒市，そして，候補者は辞退はされましたが2011年7月9日付，同年10月13日付で記録した伊勢市，2011年8月26日付，同年11月7日付，2012年2月7日付では滝川市と，本備忘録にて記録してきた副市長職候補者の公募の取組では，書類と面接による選考が原則としては実施されてきたことからすれば，「マン・ワイズ」であるとともにペイパー・ワイズ」*5であることも求められているのだろうか．「適性検査」の実施は興味深そう．
そして，「3次選考」からは画面上での試験から紙面による試験と移り，「 2次選考合格者に対し，小論文試験を実施」される．「4次選考」では，対面による選考となり，「3次選考合格者」に対する「面接試験」が「実施」される．最後となる「5次選考」では「4次選考合格者に対し，面接試験を実施」*6される．いずれの「選考結果」も「受験番号をホームペー ジ上で公表するとともに電子申請システムにより通知」される．今後の応募状況は，要経過観察．
*1:葉山町HP（お知らせ：副町長候補者を公募します）「葉山町副町長候補者公募について」
*2:前掲注1・葉山町（葉山町副町長候補者公募について）1頁
*3:前掲注1・葉山町（葉山町副町長候補者公募について）2頁
*4:葉山町HP（お知らせ：副町長候補者を公募します）「葉山町副町長候補者 エントリーシート」
*5:水谷三公『官僚の風貌』（中央公論新社，1999年）203頁
