[ニューヨーク 13日 ロイター] 米ニューヨーク市は13日、肥満対策の一環として、特大サイズの甘味飲料の販売を禁止する方針を正式に決定した。
 規制は、飲料を入れる容器の上限を約470ミリリットルに定めるもので、食料品店やコンビニエンスストアを除くほぼ全ての場所が対象。これに違反した場合は、200ドルの罰金が科せられる。実施は来年の3月から。
 今年5月にこの規制を提案していたブルームバーグ市長はツイッターで、「肥満の抑制に向けた最も大きな一歩だ。これによって命が救われるはずだ」とコメントした。ただこの規制には、個人の自由を侵害していると主張する意見もあり、反対派は訴訟も検討しているという。反対派の1人は「何を食べ、何を飲むべきかは自分たちで決められる」と強調した。経済協力開発機構OECD)の調べによれば、米国人の3分の1が肥満とされている。

本記事では,ニューヨーク市における甘味飲料販売規制の制定を紹介.2012年6月2日付の本備忘録にて記録した同市の同規制の取組.同規制の制定に関しては,同市HPを参照*1
ニューヨーク市の保健委員会(the New York City Board of Health )へ同規制案が提出され,8名からは賛成,1名は辞退という結果により,同規制案は可決.6ヶ月後となる2013年の3月12日から施行.レストランや屋台, デリ,映画館やスタジアム等の売店などの飲食店(food service establishment)での16オンス以上の甘味飲料を規制*2
一方で,上記の本備忘録でも記録したように,同規制では,同量以下の量の容器で複数回飲料すること,つまり「お代わり」*3,を規制するものではない.そのため,多くの甘味飲料を飲みたい(または,肥満であり続けたい方/なりたい方)という選好をもつ消費者がいる場合には,多くの自己負担も頂くという「サイクル」*4も規制するものではない.実際の同市市民の消費行動の変容の有無は,要観察.

*1:New York City HP(News and Press Releases September 2012)“FOR IMMEDIATE RELEASE PR- 326-12 September 13, 2012

*2:前傾注1・New York City ([FOR IMMEDIATE RELEASE PR- 326-12 September 13, 2012)

*3:時事通信(2012年9月14日付)「肥満対策、ようやく本腰=マックはカロリー表示−米

*4:Eric A. Finkelstein, Laurie Zuckerman.(2008)The Fattening of America: How The Economy Makes Us Fat, If It Matters, and What To Do AboutIt,Wiley:p.128.

The Fattening of America: How The Economy Makes Us Fat, If It Matters, and What To Do About It

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