20日に帰国した第53次南極地域観測隊の一員として、2011年12月から南極・昭和基地で活動してきた兵庫県豊岡市職員の宮下泰尚さん(45)が21日、同市役所で記者会見した。担当した廃棄物処理業務や自然に触れた感動を振り返り、「経験した素晴らしさを子どもたちに伝えたい」と話した。
 同市社会福祉課の主査だった宮下さんは、国の南極観測の中心を担う「国立極地研究所」(東京)から派遣要請を受けた同市の推薦で隊に加わった。兵庫県内の自治体職員の参加は初めて。南極では環境保全部門の隊員として紙やプラスチックなど24種類の廃棄物の分類を担い、新たな汚水処理施設建設にも携わった。オーロラなどを写真に収め、小学校と衛星中継でつなぐ「南極授業」にも取り組んだ。
 今後は、講演会で活動を報告する予定で「知らない世界を見られたことが大きな財産。活動を伝え、何かに挑戦するきっかけにしてほしい」と話した。(若林幹夫)

本記事では,豊岡市において南極地域観測隊員へ派遣されていた職員の帰還を紹介.
同職員は,「第53次南極地域観測隊員」として「南極観測センター派遣」へ2011年7月1日から2013年3月31日までの「21カ月」間派遣.同期間のなかで,まず出国期間は2011年11月25日から2013年3月20日まで.そして,実際の「南極昭和基地」での「滞在」は,2011年12月23日から2013年2月10日までの「14ヶ月」「416日」となる.滞在期間中は「新汚水処理装置の設置」や「 施設周辺に置かれている廃棄物や不要資材の整理」*1等の活動をされた模様.
宇宙飛行士には,例えば「宴会」で「新しいことを率先して計画する力と,周りを楽しませることを自らも楽しめるようなパーソナリティ」*2とも解されており,そのため「宴会の幹事」*3の有無が選抜時に問われるものの,南極で活動するためには,果たしてどのような資質が必要となり,そして,自治体職員としての経験は活用されたのだろうか.ぜひ伺ってみたい.

*1:豊岡市HP(こちら市長室市長記者会見(原則として毎月)市長臨時記者会見(平成25年3月21日))「第53次 南極地域観測隊(越冬隊 設営 環境保全部門)市派遣職員(宮下 泰尚)活動報告

*2:大鐘良一・小原健右『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』(光文社,2010年)28頁

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

*3:前掲注1・大鐘良一・小原健右2010年:27頁