神奈川県は、多数の人が出入りする「公共的施設」での喫煙の規制強化を見送る。12日、受動喫煙防止条例の改正を見送ることを決めた。同条例は施行日から3年ごとに見直すことになっており、飲食店を禁煙にするといった規制の強化を検討していた。
県は7月、医療関係者や飲食店の業界団体らが参加する「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」見直し検討部会を設置。現在は喫煙所などを除き原則禁煙となっている学校や官公庁施設に加え、「禁煙または分煙」とされている飲食店や宿泊施設を禁煙とすることなどを検討していた。ただ最終的に、分煙の浸透を評価する声や小規模施設の経済的影響を考慮する意見が優勢だった。全国的には同条例が知られていないため、県外からの観光客の理解を得ることが難しいなどの課題も上がった。県は今後、観光客向けの雑誌内で条例を紹介したり、たばこが健康に与える影響を周知するイベントを開いたりすることを検討している。
本記事では,神奈川県における「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」への定期的な検討結果を紹介.
2013年5月28日付の本備忘録で記録した同条例附則に基づき「「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」見直し検討部会」*1にて定期的な検討が進められ,2013年11月9日付の神奈川新聞が報道するように同部会では「多くの論点で「条例の現状維持」と結論」*2が示されている.同検討結果が「基本的には重く受け止めながら」*3まとめられた県としての方針は,本記事が報道する「改正を見送」りと「決定」された模様.
同条例が定めめる「3年」という検証期間は,見直しを要する現象が生じていくるには未だ途中段階であるためか,はたまた,議論の末に制度にまとめられた「政策安定性」をもつ「現状を変更することがいかに困難である」「*4ためか,今後,「「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」見直し検討部会」の検討結果は,公表後,要確認.
*1:神奈川県HP(健康・福祉・子育て:心身の健康:たばこ対策:かながわのたばこ対策)「「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」見直し検討部会の概要(平成25年度)」
*2:神奈川新聞(2013年11月9日付)「受動喫煙防止条例、「現状維持」多く 見直し検討会議/神奈川県」
*3:神奈川県HP(電子県庁・県政運営・県勢:県政情報:県全体の広報:神奈川県知事のページ)「定例記者会見(2013年11月11日)結果概要」
*4:ジョージ・ツェベリス『拒否権プレイヤー 政治制度はいかに作動するか』(早稲田大学出版会,2009年)23頁