2020年の東京五輪までの完成を目指している横浜市の新市庁舎に関わる設計・建設費が、今秋時点で約667億円かかる見込みであることが17日、分かった。高い環境性能の確保や建築資材、人件費の高騰などを踏まえた試算で、3月にまとめた基本計画での試算額約616億円から約50億円(約8%)増えた。市は18日の市会常任委員会で説明するとみられる。
 市関係者によると、市は来年10月に予定している設計・施工一括発注方式による入札に向けて計画内容を精査。従来の「面積×1平方メートル当たりの建設単価」という大まかな試算ではなく、CM(工事監理)事業者の支援を受けて一つずつコストを積み上げた。高い環境性能や耐震性能を確保するなどしたほか、建築資材価格や人件費の変動を考慮した。基本計画では、みなとみらい線馬車道駅に接する北仲通南地区の整備予定地(約1万3500平方メートル)に高さ約150メートルの高層ビル(行政棟)と東隣にアトリウム(屋根付き市民広場)、アトリウム上部に議場を設置するイメージだったが、試算では議場を高層ビル北側に張り出した低層ビルに配置。高層棟は約160メートル(地上32階、地下2階)となった。
 効率的なフロア計画により、延べ床面積は基本計画の14万6800平方メートルから14万800平方メートルに縮小。隣接する大岡川沿いには水辺の憩い空間や津波避難を兼ねたデッキを整備する。市は今後の資材価格や人件費の変動状況を注視しながらあらためて来年6月に予定している入札公告前に設計・建設費を算出し、予算を計上する考えとみられる。

本記事では,横浜市における新庁舎建設に関する設計・間接費の見込額を紹介.
2011年5月9日付の本備忘録で「新市庁舎整備基本構想」の検討開始の記録以来,観察を続けてきた同市の新庁舎建築の取組.「新庁舎整備基本計画」では「建設費」は「約587億円」,「設計費等」が「約29億円」と「約616億円」*1と見込まれていた設計・建設費,本記事によると「今秋時点で約667億円かかる見込み」と報道されており,「費用の数字」*2が増加する模様.
当初,約616億円の設計・建設費には,原則は市債を発行により「約487億円」を調達し,「商業施設スペース」を「約129億円」の「一般財源*3を充てる予定とされていたなかで,今回の増加分への財源調達方法は,要確認.

*1:横浜市HP(各局の紹介総務局組織管理課新市庁舎整備に関する検討について新市庁舎に関する調査特別委員会)「新庁舎整備基本計画」(横浜市平成26年3月)35頁

*2:小野達也「鳥取市の市庁舎整備問題 〜何が起きて,何が起きなかったのか」小島卓弥編著『ここまでできる実践公共ファシリティマネジメント』(学陽書房,2014年)245頁

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

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*3:前掲注1・横浜市(新庁舎整備基本計画)35頁