鳥取市議会は12月定例会最終日の26日、市庁舎の新築移転に必要な本庁舎の住所を旧市立病院跡地(同市幸町)と定める位置条例を、全議員32人の3分の2以上が賛成して可決した。市政最大の懸案で5年にわたって議論を繰り返してきた市庁舎整備問題がようやく決着した。
 9月定例会では、可決要件である出席議員の3分の2以上の賛成に1票足りず同条例は否決。11月の市議会改選で議員構成が大幅に入れ替わったこともあり、深沢義彦市長は今定例会に同条例を再提案し、26日の本会議では記名投票による採決の結果、賛成22人、反対10人で可決要件をクリアした。
 市庁舎の新築移転の実現を掲げて4月に就任した深沢市長は、同問題の年内決着を”公約”としてきた。閉会後、深沢市長は「庁舎整備を具体的に進めていく緒についた。県東部の中核市としての役割を果たすとともに、市民に丁寧に説明、情報提供しながら庁舎の在り方を考えていく」と強調した。一方で、耐震改修が選ばれた2012年の住民投票との整合性については「(投票結果が)覆ったということでなく、市民の考え方が変化してきている」との認識を示した。房安光議長は「議会も年明けに特別委を立ち上げて対応し、市民への説明責任を果たしていく」と述べた。市は条例の可決・成立に伴い、予算執行を凍結していた旧市立病院跡地の測量業務(事業費約440万円)を1月中に発注し、新築移転に着手する。また臨時会を開いて設計準備費などを盛り込んだ補正予算案を提案する。

本記事では,鳥取市における位置条例の可決を紹介.
2011年2月10日付の本備忘録に記録したように,訪問させて頂いた位置条例なき同庁舎(訪問後も,細々と観察を続けてきました).本記事では,「新築移転」先を位置とする「鳥取市役所の位置を定める条例」案が2014年12月26日の同市議会で審議され,32名のうち22名の同意を得て,地方自治法が要請する「出席議員数の3分の2以上の者」の「同意」となり「可決」*1されたことを紹介.同条例の制定までに,「市庁舎整備を問う全国初の住民投票が実施された」*2同市.今後の整備状況は,要観察.

*1:鳥取市HP(鳥取市議会議員の議案に対する賛否を公開します)「平成26年12月定例会の審議結果

*2:小野達也「鳥取市の市庁舎整備問題 〜何が起きて,何が起きなかったのか」小島卓弥編著『ここまでできる実践公共ファシリティマネジメント』(学陽書房,2014年)243頁

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

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