東京都のカスハラ防止条例が成立 全国初、罰則はなし 2025年4月施行へ年内に具体例や対策の指針示す (東京新聞2024年10月4日)

顧客が従業員らに理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)を防止する東京都の条例が4日、都議会本会議で可決、成立した。カスハラを禁止する全国初の条例で、来年4月に施行する。罰則はない。都は年内にカスハラの具体例や対策を盛りこんだ指針を示す。条例施行までに、各業界ごとに定める防止手引きのひな型も作る。
◆「何人も行ってはならない」明記
 条例ではカスハラを「顧客らから就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するもの」と定義。「何人も、あらゆる場において、カスハラを行ってはならない」と明記した。
 顧客からの暴行や暴言、不当な要求などのカスハラを巡っては、住宅メーカーの社員が客から度重なる叱責(しっせき)などを受けた後に自殺し、労災認定されるなど社会問題に。国も従業員保護を企業に義務付ける法改正を検討している。
◆対象は都内で働く人や客、企業、公的機関
 都の条例は、都内で働く人や顧客、民間企業、公的機関などが対象。住民や議員、ボランティア、イベント参加者も含まれる。カスハラ防止に向けた責務を、働く人、顧客、事業者、都ごとに定めた。事業者はカスハラを受けた従業員の安全を確保し、顧客にやめるよう申し入れるなど適切な対応に努める。都は事業者への情報提供、相談や助言などを実施する。
 一方、顧客が正当な主張をためらわないように「顧客らの権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」とも定めた。
 罰則のない理念条例のため、都議会ではカスハラの抑止効果や事実確認に役立つとして、録音や録画機器の整備支援を都に求める意見が上がった。条例の制定は連合東京などが都に求め、都は昨年秋から有識者らと検討を重ねてきた。
◆連合東京の会長「働く環境が良くなる」
 連合東京の斉藤千秋会長は「条例によって相手を不快な思いにさせないことが広まり、働く環境が良くなるだろう。都が国に先んじたことで、他県も追随すると思う」と述べた。(押川恵理子、原田遼)

本記事では、東京都におけるカスタマーハラスメントの規制に対する取組方針を紹介。

の各本備忘録で記録した同都の同取組。2024年9月18日に開催された第3定例会に「第214号議案 」として提出された「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」案が「原案可決」*1

「ローカル・ルール」*2としての同条例案。実施状況は、要観察。