道は二十五日、現在は公職選挙法で定めている道議選の選挙区を、道条例で決められるよう権限移譲を求める道民提案を、高橋はるみ知事の諮問機関「道州制特区提案検討委員会」に示した。選挙区割りの権限移譲を国に提案するには、道議会と歩調を合わせる必要もあり、今後議論を呼びそうだ。
 道議選は、公選法で市と支庁管内を選挙区としている。今回の道民提案は、支庁改革のように道内で行政単位の変更が起きた場合も、地域事情に合わせて柔軟に選挙区を設定できるようにするのが目的だ。ただ、国への提案には道議会の議決も必要。道議会内には支庁改革への根強い反発もあるため、今後の議論は曲折が予想される。検討委は今後、継続審議中の提案などと併せて計四十件を審議し、来年月下旬にも知事に答申する方針。

同記事では,北海道において道州制特区法(道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律)第6条1項に基づく,道州制特別区域基本方針の変更提案(変更提案)を通じて,選挙区の区割を条例により制定できるよう提案する案を,同道が開催した第23回北海道道州制特別区域提案検討委員会へ提示されたことを紹介.同道HP内の海道道州制特別区域提案検討委員会HPには現在のところ未掲載.提案資料については,近日中には公開されるかと思われるので要確認*1
6月28日付の本備忘録でも見たように,同道において支庁再編条例(北海道総合振興局設置条例*2)が可決されつつも,公選法改正を経なければ,同条例の施行に及ばないこともあり,道州制特区法による変更提案を通じて,条例制定による選挙区の規定を行う案を想定されたのだろうか.個人的には,6月3日付の本備忘録で見たように,北海道と同様に,各都道県議会議員の選挙区を他律的に規定される政令指定都市を含む都道府県においても,同提案が投げかける意味は少なくないとも思う.特に,「そもそも都道県議会議員は市郡を選挙区とする「地域代表」である必要があるか」*3という問いかけからすれば,支庁等の区域を選挙区とする規律付けに関しては,より「地域代表」であることに収束することにもなり,自由度拡大路線の可能性からも検討することの妥当性も思わなくもない.
同提案を行うえでも,まずは,支庁再編条例制定時も長らくの審議を要した道内での合意形成が先決.ただ,合意形成後に政府との協議とはなるものの,政府側では,新内閣には,前内閣まで置かれていた「道州制担当大臣」が置かれておらず*4,新内閣における道州制特区,そして道州制の扱いがまだ明確ではないようにも窺える.今後の政府側の経過も要観察.

*1:北海道HP・北海道道州制特別区域提案検討委員会第23回検討委員会(平成20年9月25日開催)

*2:北海道HP(人事局法制文書課:北海道公報)「平成20年6月30日号外」1〜4頁

*3:西尾勝「地方選挙制度の改革構想」西尾勝編著『自治体デモクラシー改革』(ぎょうせい,2005年)81頁

自治体デモクラシー改革―住民・首長・議会 (自治体改革)

自治体デモクラシー改革―住民・首長・議会 (自治体改革)

*4:首相官邸HP「麻生内閣閣僚名簿等