研究、政策提案力強化へ
 加賀市議会と金沢大大学院法務研究科は二十五日、連携協定を結んだ。市政運営を監視し、政策提案できる市議会を目指し、調査研究への専門的な助言を受けられるようになる。市議会事務局によると、議会と法科大学院との協定は県内初で、全国的にも珍しい。(出口有紀)
 協定は、市民に市政への参加を促すため二〇一二年に施行された「市民主役条例」に助言した同研究科の河村和徳講師が提案。機能強化を図りたい市議会に、地元で法曹を養成する法科大学院が蓄える専門知識を活用してもらい、両者の存在感を高めるのが狙い。議会の情報も研究科に提供し、教員や学生らの研究に役立ててもらう。学生の議会見学や議員研修会への講師派遣などで交流を深める。
 市役所であった調印式には、全議員十八人を含む二十二人が出席。高辻伸行議長と佐藤美樹研究科長が協定書に署名した。高辻議長は「市の政策を審議し、条例を策定する際に心強いパートナーを得た」、佐藤研究科長は「学生にも市民の声を政策として取り上げ、条例化する過程を経験させ、公務員の仕事にも興味を持ってほしい。法律の専門家である教員に遠慮なく質問して」とあいさつした。
 基調講演もあり、河村講師が今回の連携の意義を説明。「市長部局が不備のある条例案を出し、そのまま議決すれば議会の評価も落ちる。市長部局を暴走させないためにも、法科大学院をかかりつけの相談役にする仕組みを作り、議会のレベルアップを図る必要がある」と説いた。 

本記事では,加賀市議会における大学院との連携協定の取組を紹介.
本記事によると,本記事に紹介されている同大学大学院との間で,同大学大学院が有する「専門知識を活用」等を目的とする連携協定を締結された模様.現在のところ,同協定は同市HP等では公表されていない模様.「自治体議員や政党支部は,自治体職員に対しては政策面では一定のアドバンテージを有するものの,法務面では劣位に立つ」*1と解されることもあるなかで,同連携協定による「機能強化」の具体的な状況は,要確認.

*1:山口道昭『政策法務の最前線』(第一法規,2015年)62頁

政策法務の最前線

政策法務の最前線