福井県、交流文化部を新設 知事会見で組織改革発表 (日本経済新聞2019年5月28日) 

 福井県は28日、6月1日付で従来の観光営業部を改め「交流文化部」にするなどの組織改正を発表した。観光だけでなく、文化やスポーツなどを含めた交流人口の拡大や移住促進を図り、福井に人を呼び込む。4月の知事選で初当選した杉本達治知事は記者会見で「チーム福井で一丸となり、県民主役の県政を進める体制を作る」と述べた。

 2023年に迫る北陸新幹線の福井延伸に向け、交流文化部には首都圏などに福井をPRする新幹線開業課も新設、10人を配置する。18年に開催された国民体育大会のレガシーを生かすべく、スポーツ振興も教育委員会から移管し、スポーツ課を新設する。

 また、公約に掲げていた現場徹底主義の実現のため「知事公室」を新設する。同室には広報広聴課を設置し、広聴機能を強化して県民の声の集約を図る。総合政策部は「地域戦略部」に改め、福井県の将来像を共有する長期ビジョンを策定する。杉本知事は「選挙戦を通じてお約束させていただいた基本的な体制を構築する」と話した。

本記事では,福井県における組織改正の方針を紹介。

2019年「4月23日」に行われた「知事記者会見」では,「今まで個別の政策や目標にこだわり過ぎていた」とし,「大きく」「戦略」「を描きながら物事を進めていく必要があるという趣旨を踏まえて」「地域」と「戦略」、「地域戦略部」「というものをつくっていく必要がある」*1との認識が示されてきた同県. 

2019年「6月1日付」で,同県では次の人事異動及び組織改正を実施.まず人事異動では,「12人の女性職員」を「管理職に登用」し「62人」とし,次いで,「本庁部長8人のうち」「5人」を「新任者」*2を配置.

次いで組織改正では,従来の「総合政策部」を「地域戦略部」へと改組し「市町・県民活躍の担当を集約」*3する.そして,「長期ビジョンの策定」し,「地域課題の解決に向け」た「市町・団体・若者等との協働を推進」するために,同部内に「未来戦略課」,「市町協働課」,「県民活躍課」を「設置」*4する.その他では,「観光営業部」を「交流文化部」に改組し,「福井に人を呼びこむ課を集約」*5.さらに現在の「嶺南振興局」の「嶺南振興局長」に「本庁部長経験者を登用」し,同局での「判断・決定」できるようにし「枠予算」*6も整備する.

そして,「総務部」に「県庁全体」での「徹底現場主義」を「進めるエンジン役」と「県民・庁内各部局をつなぐ架け橋役」として,「知事公室」*7を新設.同室には「秘書課」と「広報広聴課」を「設置」するとともに,「知事公室長」と「秘書課」の「政策参事」が「知事の政策スタッフ」となり 「様々な意見を整理・分析し」「各部局の政策立案を支援」*8することを想定.

「長期ビジョン」の「策定」*9を通じて,「長期の時間を要するような事項」*10に取り組むことが想定される同県.今後の同ビジョンの作成状況は,要観察.

 

 

*1:福井県HP(組織一覧広報課)「知事記者会見の概要(平成31年4月23日(火))」

*2:福井県HP(組織一覧人事企画課)「令和元年度 組織改正・人事異動」1頁

*3:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)1頁

*4:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)1頁

*5:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)2頁

*6:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)2頁

*7:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)2頁

*8:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)2頁

*9:前掲注2・福井県令和元年度 組織改正・人事異動)1頁

*10:松井望「県庁内のガバナンス変容と持続」宇野重規, 五百旗頭薫編『ローカルからの再出発 日本と福井のガバナンス』(有斐閣,2015年)225頁

ローカルからの再出発--日本と福井のガバナンス

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