東京都、経済再開の道筋示す にじむ「第2波」警戒 (日本経済新聞2020年5月22日)

 東京都は22日、新型コロナウイルス対策の休業要請を段階的に緩和する行程表「ロードマップ」を公表し、首都の経済活動再開の道筋を示した。早期の営業再開を望む事業者の声は強いが、緩和のステップは原則2週間単位で進めるとした。感染の「第2波」への警戒も強くにじんでいる。

都は現在、飲食店に対して午後8時までの営業時間短縮を要請しており、緩和のステップ1ではこれを午後10時までに延ばす。ステップ3では午前0時までとする。

都関係者によると、当初、飲食店の緩和はステップ2とする想定だったが、早期緩和を求める店側の声が強く、ステップ1に前倒ししたという。

  ステップ1での緩和は美術館や体育館、学校といった施設にとどまるが、ステップ2では生活必需品以外を扱う店舗や学習塾も再開可能となり、日常生活の回復が実感できるようになるとみられる。ステップ3ではネットカフェやパチンコ店も緩和対象に入ってくる。

イベントについてはステップ1で50人まで、2で100人まで、3で1000人までと段階的に開催が認められる。

都は「新規感染者が1日20人未満」「感染経路不明者が50%未満」など7つの指標を常時監視し、2週間程度大きな変化がなければステップ1から2、ステップ2から3へと移行する。

小池百合子都知事は22日の記者会見で「2週間『ガチっと』という考えではない」と述べ、総合判断で2週間を待たずに次のステップに移る可能性もあると示唆した。

新潟大医学部の斎藤玲子教授(公衆衛生学)は「慎重に段階的に緩和する内容で、不特定多数の人が集まりやすい東京の特性を反映したのだろう」と分析する。

 新型コロナへの対応で経済活動は縮小、停滞し、民間事業者は大きな打撃を受けている。

 大阪府は経済活動の回復を目指して独自の「出口戦略」を策定。5日に休業要請解除などの基準を示し、吉村洋文知事は「国が基準を示さなかったので『大阪モデル』を作った」と話した。緊急事態宣言が解除される前の16日に百貨店などへの休業要請を緩和し、21日に宣言が解除されると、東京ではステップ3の遊園地などへの要請も23日に解除すると発表した。

 これに対し、東京都は今回の行程表を巡って政府と頻繁に協議を重ねた。4月に休業要請の対象を詰める際に政府との調整が難航したこともあり、緩和プロセスでは入念に擦り合わせをした。

 都幹部は「人口が多いほど第2波は起きやすいと考えられる」と説明。「経済活動の再開は当然重要だが、政府と連携して警戒を続け、医療体制の強化などを進めたい」と話している。

本記事では,東京都における感染拡大対策の取組を紹介.

に記録した同都の「ロードマップ」を検討の取組.同年同月22日に「出自粛等の徹底を通じて,感染を最大限抑え込む」こと,「モニタリング等を通じた,都民生活や経済社会活動との両立」すること,「必要な場合には「東京アラート」を発動」すること,「「第2波」に対応するため,万全の医療・検査体制を整備4」,「「新しい日常」が定着した社会の構築」を定めた「新型コロナウイルス感染症を 乗り越えるためのロードマップ」*1を公表.同ロードマップでは,「休業要請緩和」では「施設別」に0〜3までの「ステップ」を定め,「学校の段階的再開」*2順序が示されている. 

ロードマップ に基づく「直接的な成果」*3は,要観察.