日本の高校生の約57%が宮崎県の場所を地図で正しく示せないことが19日、日本地理学会の調査でわかった。大学生も約33%が間違えていた。
 同学会では「東国原知事の就任で話題になった宮崎県でさえ、場所がわからないのは、地理の学び方が表面的だから」と分析、小中高校を通じた地理教育の充実を求めている。調査は昨年12月から今年2月にかけて、東京都内の37校を含む51校の高校生6159人と31大学の学生3747人を対象に実施。秋田、栃木、東京、長野、愛知、石川、奈良、島根、愛媛、宮崎の10都県について、白地図から場所を選ばせた。その結果、高校生で最も正答率が低かったのは、宮崎の42・7%で、熊本と勘違いした生徒が多かった。愛媛(正答率49・6%)、島根(同51・5%)、奈良(同62・5%)なども正答率が低かった。大学生では、島根(同65・9%)の場所を間違えた学生が最も多かったが、宮崎(同67・3%)もワースト2だった。一方、世界の10か国についても同様の質問を行ったところ、ニュースによく登場するイラクの正答率は高校生が25・6%、大学生も50・2%にとどまり、アメリカも高校生は約16%、大学生は約4%が間違えた。
 今回の調査結果について、宮崎県の東国原英夫知事は「宮崎や東国原を知ってはいるが、宮崎の場所がわからないというのは、学力、日本の教育の問題。私はいちいち地図を持って宮崎のPRはできない。この結果を踏まえ、折に触れて宮崎がどこにあるかを周知していきたい」と、苦笑しながら述べた。

同記事では,日本地理学会の調査では,高校生,大学生のうち,宮崎県の位置を誤答する率が高かったことを紹介.宮崎県を熊本県の位置と間違うことが多いようである.ただ,そうなると論理必然的に,熊本県の位置もまた誤認されている率が高いのではないかと思う.
昨年頃から,各都道府県のご当地文化をバラエティー風に紹介するテレビ企画番組も多くあるように思う(例えば,日本テレビの「カミングアウトバラエティ秘密のケンミンSHOW」もその一つ).自治行政の報道といえば,厳しい現実の財政問題や,味気ない汚職報道が中心となるが,多くの番組が,各地の特色を,訪問者の視点が主な旅番組とは違い,一般住民の視点から紹介されているため,まさにその現地の文化や取り組み等を楽しみならが知ることができる(例えば,宇治市の小学校で水道蛇口からお茶が出る,という情報を初めて映像で見たときには大変驚きました).昨晩放映されたNHKの「ワースト脱出大作戦」もその一つ.同番組のインターネット調査によれば,島根県が「日本で最もどこにあるかわからない県」の一位であったとのこと.ただ,島根県には,鷹の爪団がバックアップしているので,近日中には世界制覇とまではいかなくとも,認知度の日本制覇には至ることかと思われる.
自治制度論上,区域こそが自治体成立の要素である*1ことからすれば,区域の認知度向上のために何らかの対応が必要か.例えば,都道府県の位置が分からないことの要因としては,教育の問題でとあるとすれば,ゆとり教育路線を復古し,単純に都道府県の数を減らして教えることも一つか.そのためには,東北,北陸,関東,関西等のように地域毎を大括り化し,9〜11区域程度で教えることも一つか.となると,思い浮かぶのが道州制論.よもや,道州制論議とは,ゆとり教育世代対応を見越しての議論なのではないかと,不安(妄想)がよぎる.

*1:松本英昭『新版逐条地方自治法第4次改訂版』(学陽書房,2007年)17頁

新版 逐条地方自治法

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