全国各地で活躍する癒やし系キャラクターの王者を決めるテレビ番組の企画「ゆるキャラ王選手権」に、佐賀県唐津市の築城400年記念イメージキャラクター「唐(から)ワンくん」が出場することになった。折しも世間は北京五輪に熱狂中。地元関係者は「キャラクター版の五輪でも金メダルだ」と盛り上がっている。
 選手権はテレビ東京系列の番組「TVチャンピオン」の企画。14日に川崎市とどろきアリーナで収録する。全国から選ばれた22体の着ぐるみが体力勝負を繰り広げるが、審査基準は「いかにセンスよく“緩い”雰囲気を出しているか」(番組担当者)。同市は表情を柔和にしようと、着ぐるみの目元をパッチリと“整形”するなど対策は万全だ。唐ワンくんは、今年、唐津城が築城400年を迎えたのを機に、市職員のデザインで4月に誕生した。犬がかぶとを被った愛らしさが地元で人気だが、猫のかぶと姿で先行した滋賀県彦根市の「ひこにゃん」と似ていたため、「まねたのでは」とバッシングされる辛酸をなめてきた。大会には、ひこにゃんも出場する。唐ワンくんが勝って、暗い過去を吹き飛ばせるか‐。唐津市は「ぜひ優勝して唐津の名を全国にとどろかせてほしい」としている。番組は、9月にTVQなど全国の系列局で放送される予定。

ときまさに,オリンピック.日本でももう一つのオリンピックが開催される.「ゆるキャラ王選手権」というオリンピックが.
同記事では,唐津市のいわゆる「ゆるキャラ」である「唐ワンくん」が,テレビ東京系列の番組「TVチャンピオン」に参加し,体力勝負を行う予定であることを紹介.この「唐ワンくん」,同記事にもあるように,唐津城築城400年記念のキャラクターとして本年4月の登場以来,彦根市代表の「ひこにゃん*1氏との類似性が指摘され「論争」*2を巻き起こした注目の選手.同選手権は第2回目.前回選手権では,各地域での厳しい予選があり,参加を試みても涙をのんだキャラ達も多数いた模様*3.同記事からは,体調万全で本戦出場する様子の「唐ワンくん」には,気持ちの良い頂上決戦を期待したい.
ただ,選手権に勝利することだけが「ゆるキャラ」の目的でもあるまい.「とても退屈」(348頁)なシドニーオリンピックという「装置」(403頁)を観察した作家・村上春樹は,オリンピックを評して次のようにいう.「もちろん僕は勝利を愛する.勝利を評価する.それは文句なく心地よいものだ.でもそれ以上に,深みというものを愛し,評価する.あるときは人は勝つ.あるときは人は負ける.でもその後には,人は延々と生き続けて行かなくてはらなないのだ」*4.そう,「ゆるキャラ」としての「果てしない旅路」は今後も続くのだろう.そして,そ「の果てに『選ばれる者』とは誰」かは分からない.ただ,たとえそれが「唐ワンくん」じゃなくたって,「それでもまた走っていく」*5のだろう.終わりなきPRの旅に.
なお,「ゆるキャラ」,選手権の後は,「ひこにゃん」氏が「ゆるキャラ」達を招待し,2008年10月25日(土)26日(日)に「サミット」を開催する予定*6とのこと.惜しまれつつも引退し,現在「人生見直し」の旅に出ているあの人が出場すれば,古豪の説得力を伺うことができるだが.