岡山市は1日、全国で18番目の政令指定都市に移行した。政令市の誕生は、2007年4月の新潟、浜松両市以来。
 政令市移行で、岡山市は、指定区間外の国・県道の整備管理や市立小中学校教職員の任免など、都道府県並みの権限を持つようになる。高谷茂男市長は、「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市を目指す」としている。
 同市は、人口(2月末現在)が約69万8000人で、面積は約790平方キロ。05年国勢調査時点の人口(07年に合併した2町を含む)は、要件の70万人に満たなかったが、人口が増加傾向にあるため、移行が実現した。

4月1日は,各種制度等が改められるなかで,下名個人的に最大の関心事は,やはり,岡山市政令指定都市への移行.
同配信記事では,岡山市が本日より政令指定都市に移行したことを紹介.本備忘録でも,2008年1月17日付同年3月19日付同年6月3日付同年6月8日付,同年6月14日付同年8月19日付同年8月31日付同年9月8日付同年10月16日付同年10月16日付同年12月8日付2009年3月6日付と,断続的ではあるものの記録してきた岡山市政令指定都市移行関連記事.本日,同市の政令指定都市都市制度への移行に伴い,ひと先ず終了,観察者の一人としても感慨深い.2009年4月1日付の山陽新聞では,3月31日から同日にかけて開催された「カウントダウンイベント」の様子を報道.移行に伴う波及効果として,2009年3月29日付の読売新聞の報道*1を拝読すると,「ハンコ行政」*2の様相を垣間見るようで,興味深い.
「基礎的自治体には,平均的にいって「上位」類型への「昇格」を目指す潜在的な指向性が観察される」*3ともある.同制度への移行に伴い,「肩書き」が変わり,「業務」が増加するなかで,移行に安穏とせず,そして,「政令指定都市内部での,さらなる差別化の動き」(182頁)への罠へと陥ることないように,同制度への移行による可能性を広げるためには,同市のこれまで,そして,今後の「自治運営能力」*4の展開次第とも考えられる.同制度への移行にとどまらず,移行後の政令指定都市としての同市の自治運営能力がどのように進められるかも,今後観察してみたい.

*1:読売新聞(2009年3月29日付)「印鑑業者に政令市特需 区名加わり官民発注

*2:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治』(北樹出版,2007年)184頁

ホーンブック 地方自治

ホーンブック 地方自治

*3:金井利之『自治制度』(東京大学出版会,2007年)158頁

自治制度 (行政学叢書)

自治制度 (行政学叢書)

*4:金井利之「自治体の自治運営」『ジュリスト』No.1358,2008年6月15日号,128頁

Jurist(ジュリスト)1358

Jurist(ジュリスト)1358