相模原市教育委員会は、小中学生向けの社会科副読本を全面改訂、今春から授業で活用を始めた。津久井四町との合併後の「新市」の内容を反映したもので、一般向けにも有償刊行物として販売中。中学生版は相模原市の歴史や地理を分かりやすく学べると市民から購入を求める声があり好評だという。
 副読本は小学生版が「さがみはら」(B5判、百九十四ページ)。中学生版が「わたしたちの相模原」(同、二百九十七ページ)。旧津久井四町地区と旧相模原市域の教諭計八人が二年間かけて編集し、改訂を終えた。
 県内最高峰の蛭ケ岳津久井湖のパノラマ写真を見開きで掲載した小学生版は、丹沢の山や相模川、市街の平地、湖、台地など多様な地形を持つ相模原の特徴を分かりやすく紹介。編集の教諭が描いたキャラクターのせりふが吹き出しになっており、親しみやすい内容となっている。中学生版は、市内の文化財を地図と写真で一覧にした表のほか、在日米軍基地問題、二〇一〇年四月目標の政令指定都市移行などにも触れている。今春、小学三年生に約七千三百部、中学一年生に約六千四百部を配布した。市民には、市情報公開室や総合学習センターで十三日から各九百円で販売する。

同記事では,相模原市において,社会科の副読本を全面改訂したことを紹介.
同市に限らず各自治体で刊行されている同種の副読本.先日,本務校以外の先生から,自治行政の観察用資料としての有用性が高い,とも教えて頂き,下名,同種の「メディア」は全く未読であったため,興味があった対象の一つ.同市HPを拝読すると,2007年度の数値ではあるものの,小学生版の社会科副読本である『さがみはら平成20年度版』は,発行部数が7,500冊,中学校版は『「私たちの相模原 平成20年度版』は7,700冊とあり,それぞれ価格が550円と450円*1.同記事からすれば,改訂版は,平成20年度版よりも約2倍近く価格が上昇にある様子.
同種の副読本を通じて,学校という装置以外においても利用されるとなると,当該地域における「個々の行為や言説を生成し,組織する心的システム」を規定する「構造化された構造」*2としての機能をもつことになるのだろうか,興味深そうなメディア.少し,今後も観察してみよう.