- 作者: 岡田彰,池田泰久
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2009/12
- メディア: 単行本
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池田泰久先生は,本書の編者とともに,本書内では,「2明治地方制度の構造」「3地方公共団体」「4地方公共団体の組合」「5町村合併」(10〜44頁),「11首長」(106〜113頁),「16地方税財政の仕組み」「17地方公営企業・第三セクター」「18都市計画(まちづくり)」(131〜156頁),「巻末資料」(219〜251)と題する御高論を寄稿,資料の編集されております.
本書では,地方自治を学ぶ上で基底的な概念・各テーマに関して,その変遷と現状を紹介されるとともに,それらに関連する資料を適切にとりまとめられており,自治制度を多角的に理解を進めさせて頂く上で,大変参考になりそうです.
また,池田先生がご執筆されております「明治地方制度の構造」におきまして,「市町村執行体制」の項目において,我が国における「市長の優位性が担保」され「市長に権限が集中」(13頁)されていく制度変遷が紹介されておりますが,2010年1月1日付の産経新聞による報道*1を拝読しますと,自治制度のあり方もまた変わりゆくのかとも想起されます.同記事にいう「地方内閣」とは異なるものの,下名個人的にも,現行法体系内での「参事会制」(108頁)導入の可能性は考えてみたい課題ではありますが,今後の自治制度の行く末を,歴史的文脈から捉えるうえでも,本書が持つ意義は,非常に高い一冊かと存じております.
繰り返しではございますが,この度は,誠にありがとうございました.
*1:産経新聞(2010年1月1日付)「橋下知事「地方政府基本法」提唱」