【松阪】松阪市が全国に公募した二人目の副市長の説明会が十二日夜、同市本町の市産業振興センターであり、出席した応募予定者ら約九十人が、山中光茂市長が語る副市長像などに聴き入った。
 冒頭から約十五分間、「公募に向けた熱い思い」と題して話した山中市長は「副市長の肩書やお金(目当て)といった、その程度の気持ちでの公募は迷惑だ」と厳しく注文を付けた上で、「自らの行動の一つ一つが、市民の幸せや痛みに対して差し障りがあるという気持ちで公募してほしい」とし、「(選考結果によっては)誰も採らない選択肢もある」と、話した。
 市長は「机に安住する副市長は、いくら優秀でも求めていない」と自らが求める副市長像も説明し、「市民と共に松阪をつくっていくという思いを持ち、市に飛び込んできてくれる人を待っている」と、呼び掛けた。市幹部から新副市長の担う業務や、公募要項の説明があり、会場からは選考方法の詳細や、課題論文の趣旨などについて質問があった。副市長公募は山中市長の選挙公約で、昨年十二月の第六回定例会に三度目の提案をし、可決された。六月議会での承認を目指し、公募している。

本記事では,松阪市における副市長候補者の公募に関する説明会の開催状況について紹介.
2010年1月8日付の本備忘録にて取りあげた同市の同職候補者の公募の取組.同取組の一環として本記事にて紹介された同説明会の開催.同説明会の開催趣旨については,同市HPを参照*1.「平成22年2月12日(金)」の「19時から」開催され,「市長が語る熱い思い」として「なぜ副市長を2人にするのか?」「なぜ公募するのか?」「その理由や担当する業務等について,熱く語」*2る機会として開催された模様.本記事を拝読すると,公募趣旨への「熱い」説明とともに,まさに「会社や仕事に関してプラスと考えられることだけでなく,マイナス面に関しても求職者に提供」する機会である「Realistic Job Preview*3としての様相も窺えそう.
本記事において同市長の発言として紹介される「机に安住する副市長は,いくら優秀でも求めていない」という「副市長像」.同職が,まさに「市政レベルでの政官の結節点」「政官の交錯点」*4とも解されることからすれば,その職務上,「机に安住」することだけでは終えることは困難とも想起されなくもない.
2009年6月3日付同年7月24日付同年8月22日付の各本備忘録にて紹介した豊岡市による副市長候補者の公募の取組,2009年8月8日付同年9月9日付同年10月16日付の各本備忘録にて紹介した瀬戸内市による副市長・教育長候補者への公募の取組の何れにおいても最終日間際での募集者増加の傾向性が窺えたものの,同説明会に今回「出席した応募予定者ら約九十人」の今後の公募及び選考状況は,要経過観察.

*1:松阪市HP(私たちと一緒に松阪市の未来を描きませんか!!◆◇◆ 松阪市副市長候補者を公募します ◆◇◆)「◆ 説明会を開催!! ◆

*2:前掲注1・松阪市(説明会を開催)

*3:今野浩一郎, 佐藤博樹『マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>』(日本経済新聞出版社,2009年)84頁

マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>

マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>

*4:金井利之「はじめに」『倉敷の町並み保存と助役・室山貴義』(公人社,2008年)酛頁

倉敷の町並み保存と助役・室山貴義―自治に人あり〈1〉 (自治総研ブックレット)

倉敷の町並み保存と助役・室山貴義―自治に人あり〈1〉 (自治総研ブックレット)