全国で初めて条例で指定地区での路上喫煙に罰則を設けた東京都千代田区四月一日から、指定地区を区内全域に拡大する。過料は一回当たり二千円。二〇〇二年の区条例施行後、罰則を設けた条例を制定する自治体が相次いだが、全域指定は全国初で、新年度予算案に関連費約三千六百万円を計上した。
 罰則対象の路上禁煙地区に新たに指定するのは、官庁街の霞が関、内幸町、永田町。指定地区は皇居と都が管理する日比谷公園を除き区内全域となる。過料を取るのは五月から。これに伴い、路上を巡回して違反者に注意し、過料を徴収する生活環境改善指導員を二人増やし十八人にする。条例施行後、一月末までの違反は累計五万五千三百七十九件に上る。ここ数年は指定地区を拡大しているにもかかわらず、〇六年ごろ月約千件だった違反が半減している。一方、秋葉原の定点観測地では、施行直前に約千本あった吸い殻が十数本に減るなど、ポイ捨て減少の効果も表れている。
 路上禁煙地区では、地元商店街や町内会が自主的にパトロールしているが、新たな指定地区はほとんど住民がいないため、隣接地区住民との合同パトロールなどで対応する方針。

本記事では,千代田区における千代田区生活環境条例の指定区域を,同区区域のほぼ全域とする方針であることを紹介.
2009年4月12日付の本備忘録でも取り上げた同区の同取組,同区HPを拝見すると,同区における過料適用を開始された「平成14年11月」から「平成20年2月末」までの112ヶ月間での「過料適用」に関しては,過料処分件数が「42,230件」であり,そのうち,「現場での徴収」が「31,976件」*1となる.総処分件数を月単位で按分すると,当初の112か月間での1ヵ月あたり処分件数は平均377件となる.一方で,本記事では,2010年1月末迄の件数を55,379件と紹介.当初112か月以降の24ヵ月間の処理件数は13,149件となり,この間での1ヵ月あたりの処理件数は平均546件となる.
同条例の場合,その指定区域が,条例施行時は,同区区域のうち「3,103,050㎡」と「30%」であったものの,「H15.8」には「4,021,950㎡」の「39%」,「H16.8」には「4,911,250㎡」の「53%」,「H18.3」には「5,224,835㎡」の「56%」,「H19.3」には「5,719,985㎡」の「61%」と段階的な増加がなされており,当初の112か月間以降ででは「H20.3」からは「6,709,435㎡」の「72%」,「H20.10」には「7,795,300㎡」の「84%」*2と,「平成20年2月末」迄と比べても指定地区は23%増加されている.処理件数のみでは,義務履行の実効性の程度の把握は困難ではあるものの,実数としては(指定区域の拡大もあってか)増加は見られている.
今後の区域の更なる拡大により,本記事でも紹介されている「過料を徴収する生活環境改善指導員」を「二人増やし十八人」という,「人海戦術*3を通じて,今後,如何なる義務履行が確保されるかは,要経過観察.