松阪市の2人目の副市長を決める公開選考会が17日、松阪市役所で開かれ、第1次選考を通過した候補者18人のうち辞退者2人を除く16人が選考に参加し、副市長就任に向けてアピールした。
 副市長を市民公開で選考するのは、同市では初めて。選考委員の山中光茂市長や中川昇副市長、小林寿一教育長らの前で、候補者たちは集団面談などに取り組んだ。国と地方の在り方などテーマにした集団討論では、「子ども手当は世代間で認識に差がある」などと各自の持論を交わした。傍聴した事務職池村幸一さん(56)=同市曽原町=は「行政は市民の税金に支えられているので、公開するのは当然」と今回の選考のやり方を評価。別の傍聴者の主婦(70)も「選考の様子や候補者の考えが分かり、良い機会だった」と話した。5月の最終選考に進む候補者は、今月中に発表される。 (杉原麻央)

本記事では,松阪市における副市長候補者の選考手続について紹介.
2010年1月8日付同年2月15日付同年3月14日付の本備忘録にて取りあげた同市の同職候補者公募の取組.3月「(29日)が一次選考の最終日」,「(30日)の午前中に一次の審査を終了」を受けての「二次選考」としての「市民公開選考会」という形で実施」*1.本記事では,「候補者18人のうち辞退者2人を除く16人」を対象とされた「市民公開選考会」の様子を報道.地方自治法第162条に基づき,首長からの提出議案に対して,その「諾否を決する」*2と,議会同意手続が義務付けとされる副首長制度.同市では,議会同意による統制に先立ち,住民に対する公開による統制の取組として,やはり,興味深い.
更に,興味深い点は,本記事のみでは判読しがたいものの,当初,同「市民公開選考会」の会場を,「松阪市議会の議場と委員会室を」*3利用される方針が示されていたこと.
2010年3月29日に行われた同市の市長記者会見を拝読すると,「議場」の利用に関連して,「各部長にも協力を得る中で,実際の議会のような形式にする」こととして,「議員の方には話はしておりません」との留保を示しつつも,「議員の方にも選考の一過程をご協力いただくような打診も今後行なおうかと考えています」*4と当初の構想も示されている.
上記の議会同意に先立つ,いわば,議員による事前統制とも準じた手続とも整理されなくもないものの,果たして,実際には,議員の方の参加はみられたのだろうか.要確認.

*1:松阪市HP(市長のページ市長記者会見市長定例記者会見2010年3月29日)「松阪市副市長候補者の公募に係る「市民公開選考会」の開催について

*2:松本英昭『新版 逐条地方自治法第5次改訂版』(学陽書房,2009年)521頁

新版 逐条地方自治法

新版 逐条地方自治法

*3:前掲注1・松阪市松阪市副市長候補者の公募に係る「市民公開選考会」の開催について)

*4:前掲注1・松阪市松阪市副市長候補者の公募に係る「市民公開選考会」の開催について)