福井県は独身男女の出会いを応援するインターネットの専用サイト「ふくい婚活カフェ」を8月中旬に開設する。県内の独身者がグループをつくって登録し、他のグループと交流する会員制コーナーを設ける。市町の交流イベントの開催予定など結婚相手探しに役立つ情報も掲載する。
 会員制の「企業間の交流の場」は、同じ企業で働く3〜5人単位で会社の人事担当部署を通じて登録を申請。県は企業やメンバーが会員に適格かどうか審査し、グループ代表にIDとパスワードを発行する。登録後は専用掲示板で交流会を開く交渉ができる。県はサイトを通じて結婚したカップルに祝い金か県の伝統工芸品などを贈る予定。
 県子ども家庭課は「新商品開発で若い女性の意見を聞く異業種交流会を開くといった、建設的で企業にとって利点があり、結果として独身男女の出会いにつながる交流を期待したい」と話している。県によると、都道府県で婚活支援の専用サイトを設けるのは初めて。昨年2月、独身者約400人に独身の理由を聞いたところ、62%が「適当な相手にめぐり合えない」を挙げ、他の理由より突出して多かった。

本記事では,福井県において独身男女の出会いを応援するインターネットの専用サイトを開設される方針であることを紹介.同取組に関しては,同県HPを参照*1
同県では「独身者の婚活を応援」することを目的として,「婚活に関する公的なさまざまな情報を掲載したポータルサイト」として「ふくい婚活カフェ」を開設され,同サイト内で,「企業間の独身者の交流を促進する」ため「各企業の独身グループ同士」が「それぞれの予定に合わせて交流する」ことを可能とされる「会員制コンテンツ」も設置.いわゆる「婚活」においても,企業という組織内でのグループが前提とされた仕組みとなり,「「一人ひとりの価値観」を拠り所に行動」しつつ「それをベースにして,人々は「共に分かち合う満足」」へと至る「つながり」「*2に根ざした取組とも整理ができそうか.
「結婚は必ずしなければならないものではなく,してもしなくてもよい選択的なもの,と考える人」「また他人のそのような生き方を許容する人」への「制度の改革」*3を通じた「結婚の形態」の「多様化」*4が想定されつつも,「晩婚化や未婚化が進む」*5等の現状からも「結婚に関する規範が多少は緩」*6み,現在では,「結婚の形態」の「多様化」は観察されつつある.一方で,結婚をしたいという選択をされつつも未婚の方にとっては,「結婚を望まないのではなく,結婚に踏み切れない,結婚できないという状況」*7もある.そのため,結果的には,「多様な社会になったといわれるわりには」「制度そのものが,現実の変化についていけていない」*8ともされる.多様化を許容されつつも選択が難しい制度としてではなく,許容された生き方を選択できる「制度の改革」について,考えていきたい.

*1:福井県HP(くらし・交流・環境子育て・少子化・青少年:結婚対策)「婚活応援ポータルサイト「ふくい婚活カフェ・企業交流の場」会員登録の募集!!

*2:西川一誠『「ふるさと」の発想』(岩波書店,2009年)135〜136頁

「ふるさと」の発想―地方の力を活かす (岩波新書)

「ふるさと」の発想―地方の力を活かす (岩波新書)

*3:横山文野『戦後日本の女性政策』(勁草書房,2002年)357頁

戦後日本の女性政策

戦後日本の女性政策

*4:前掲注3・横山文野2002年:404頁

*5:西岡晋「婚活は少子高齢化を救うのか?」岩崎正洋, 西岡晋, 山本達也『政治の見方』(八千代出版,2010年)7頁

政治の見方

政治の見方

*6:白波瀬佐和子『生き方の不平等』(岩波書店,2010年)97頁

生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて (岩波新書)

生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて (岩波新書)

*7:前掲注6・白波瀬佐和子2010年:85頁

*8:前掲注6・白波瀬佐和子2010年:99頁