神戸市は7日から、市役所1号館(30階建て)の24階でレストランを営業する事業者を募る。
 ミナト神戸の夜景が一望できる絶好のロケーションにもかかわらず、4月から空き店舗となっており、市は神戸国際観光コンベンション協会に委託して事業者を探したが、なかなか決まらないため、直接乗り出すことにした。レストラン部分は広さ約340平方メートルで、1号館が完成した1989年から供用開始。ハーバーランドなどが一望でき、夏には花火大会も観覧できる。直近では、東京の事業者が洋食レストランを経営していたが、売り上げの低迷で3月末に撤退した。
 協会はこれまで2回募集をかけたが、現場を見に来た事業者はいたものの、応募はゼロ。1年ごとに契約しなければならず、事業者が設備投資に踏み切りにくい点などが敬遠されたとみられることから、今回は市が募り、長期契約が可能な建物の賃貸借契約を結ぶことにした。

本記事では,神戸市における庁舎内の食堂経営事業者の募集の取組に関して紹介.同募集の詳細に関しては,同市HPを参照*1
同「市役所本庁舎1号館」の「24階」には「展望ロビーが設けられ」,「市役所の執務時間外及び土曜・日曜・祝日においても市民に開放」されており,同「階のレストランは神戸の中心部における市内を一望できるレストランとして食事や憩いの場を提供することを目的に設置」*2されてきた,という.本記事を拝読すると,「4月から空き店舗」のなか,今回,同市が同店舗の事業者の募集を行われている.「申込者の資格」は,「同業種の営業を行っている法人」であること,「市役所本庁舎におけるレストランのイメージに合致する経営展開を継続して行うことができる能力を有していること」,「公租公課を完納していること」,「自ら運営する資力、信用、技術的能力を有すること」,「賃料及び保証金の支払能力を有すること」*3等が求められている.同募集者の「選考」においては,同「市が選定委員会を設置」され,同募集者の「基本コンセプト」,「経営展開」,「営業実績等」,「事業者の財務状況決定」*4の4点から選考される.その「賃料」は,「消費税込み」で月額「750,000円」*5
2008年12月7日付の本備忘録において項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」の観点(「第3章:役所食堂の行政学」でしょうか)からは,土屋賢二先生の顰に倣えば,「食堂は,食事をするためにある」*6として,ひとり当該市役所職員のみならず,同市役所来庁者の「食卓の共同」*7としても利活用されうる空間.ただ,本記事及び2010年7月2日付の本備忘録でも取り上げた室蘭市のように,同空間の運営主体の持続は困難性が高い現状にあるのだろうか.要観察.

*1:神戸市HP(事業者向け情報入札・契約・税金入札情報 )「神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗の公募について

*2:前掲注1・神戸市(神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗の公募について)

*3:神戸市HP(事業者向け情報入札・契約・税金入札情報神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗の公募について)「神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗 公募のしおり」(神戸市行財政局行政監察部庶務課,平成22年9月15日)3頁

*4:前掲注3・神戸市(神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗 公募のしおり)6頁

*5:前掲注3・神戸市(神戸市役所本庁舎1号館24階レストラン店舗 公募のしおり)2頁

*6:土屋賢二『妻と罰』(文藝春秋,2010年)84頁

妻と罰 (文春文庫)

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*7:マックス・ウェーバー『支配の社会学Ⅰ』(創文社,1960年)204頁

支配の社会学 1 (経済と社会)

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