【夕張】全国唯一の財政再生団体となった夕張市は18日から、3月に策定した再生計画について、初の住民説明会を開いた。
 同市は本年度当初に21人いた他自治体からの応援職員のうち、少なくとも9人が年度末までに離任する予定になっていることから、新規の職員採用を数人分前倒しする計画変更を国に求めている。説明会はこうした採用増による経費増への理解を得るのが主な狙いで、23日まで市内計6カ所で開く。初日は市民約30人が参加し、市の担当者が322億円の赤字を17年間で解消する再生計画について説明。職員に関しては数人の採用を前倒しすると、年間1千万円程度の経費増になるとの見通しを示したのに対し、市民からは理解を示す声が相次いだ。藤倉肇市長は「再生計画を実行し、実情にそぐわない場合は国や道と協議していく」と述べた。

本記事では,夕張市における財政再生計画の住民説明会の開催に関して紹介.
「人口規模が同程度の市町村で最も少ない職員数の水準を基本」*1と記載されている同計画.同計画に先立つ「地方財政再建計画」の「計画策定過程」では,「人件費(給与)については島根県海士町,一時金については北海道占冠村,そして職員数については岡山県里庄町」が「寄せ集め的に参照」*2されて策定されており,後継の「財政再生計画」においても同基本路線は踏襲されている.一方,「地方財政再建計画」下の同市では,「重要な仕事を派遣職員が担っているという事態」も観察され,「派遣職員が帰ってしまった後の引き継ぎが問題」*3との認識も示されていた.
本記事を拝読させて頂くと,「本年度当初」は「21人」が「他自治体からの応援職員」であったものの(2010年10月18日付の共同通信では「市の一般職員121人のうち応援職員は20人」*4とも配信.どちらが精確なのでしょうか.),これらの方の内「9人が年度末までに離任する予定」であり,「新規の職員採用を数人分前倒」を検討されている模様.「重要な仕事」を果たす「執務技能」に関しても,「学習可能」であり「状況的」*5に形成される,としても,まずは,その伝承される職員の存在が前提か.なるほど.

*1:夕張市HP(夕張市財政再建情報)「財政再生計画書」(北海道夕張市(2010年3月2日市議会議決,3月9日総務大臣同意))2頁

*2:光本伸江・金井利之「夕張市政の体制転換と公共サービス編制の変容(下)『自治総研』381号,2010年7月号,15頁

*3:前掲注2・光本伸江・金井利之2010年:7頁

*4:共同通信(2010年10月18日付)「」

*5:松本雄一『組織と技能』(白桃書房,2003年)227〜228頁

組織と技能―技能伝承の組織論

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