環境モデル都市としてエコカーの普及を進める市(下地敏彦市長)は21日、ガソリンに10%のバイオエタノールを混ぜた燃料(E10)を使用するE10車と電気自動車(EV車)計17台を公用車として導入し、先行納入された車両を関係者に公開した。サトウキビ由来のバイオエタノールを活用したE10車の使用は国内初となる。
 今回導入されたのはE10車15台とEV車2台。国内法で3%以上エタノールを混ぜた燃料での公道走行はできないため、E10車は国交省の認定を受けた1年間の実験運用となる。E10車15台は、同市内で国の委託を受けバイオエタノール燃料の実証事業を行っているりゅうせきの試験車両を借り受け。EV車2台は市が計約800万円で購入した。E10車両の実証実験は、大阪、十勝に続き全国3例目。先行地域ではE10燃料に建設廃材(大阪)やてんさいなどの農作物(十勝)のエタノールが使用されたが、宮古ではサトウキビ由来のバイオエタノールが国内で初使用される。導入車は24日開催のトライアスロン宮古島大会で使用後、市の各担当部署に配置されるほか、市民向けのカーシェアリングに用いて普及啓発を図る予定。
 下地市長は「このような取り組みが宮古から発信できることは誇り。東日本大震災の被害を踏まえ、政府もクリーンエネルギーの活用を提言している。日本のエネルギーセキュリティーや復興への情報発信ができれば」と期待を込めた。市では昨年度、温室効果ガスの排出を削減できるエコカーの普及に向けた「市地域新エネルギー・省エネルギービジョン」を策定。2020年までに島内の約2割を電気自動車にするなどの努力目標を掲げている。

本記事では,宮古島市において,17台エコカーを公用車として導入された取組を紹介.本記事でも紹介されている同市が,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の助成*1を受けて,2011年2月に策定された『地域新エネルギー・省エネルギービジョン』をもとに導入.同ビジョンに関しては,同市HPを参照*2
「電気自動車」に関しては,「コストが高い」「充電設備整備が必要」「規格等の基準が未整備 CO2 が発電部門へ転化」*3,「バイオ燃料を活用したクリーンエネルギー自動車」に関しては,「サトウキビの安定生産」「製造コストが高いため付加価値事業構築が必要」「給油設備整備 E10 普及に向けた法改正」および車両の導入」*4とそれぞれの課題認識のもとで,「 クリーンエネルギー自動車の普及に係る関連事業への波及効果」を鑑みつつ,「公用車」として導入された模様.住民を始めとする方々が,上記の課題がありつつも,「行動変容」*5に至るには,「当該意思決定主体を「その気」にさせることがもっとも効果的であり社会的コストが低い」ともされる,「啓発的アプローチ」でしか「結局のところ」「対応できない」*6ところもあり,公用車を通じた取組の普及の様子は,要経過観察.

*1:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構HP(事業一覧エネルギー導入普及)「地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業

*2:宮古島市HP(エコアイランド報告書等)『平成22年度地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業』(平成23年2月)

*3:前掲注2・宮古島市(平成22年度地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業)6頁

*4:前掲注2・宮古島市(平成22年度地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業)10頁

*5:藤井聡社会的ジレンマの処方箋』(ナカニシヤ出版,2003年)36頁

社会的ジレンマの処方箋―都市・交通・環境問題のための心理学

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*6:北村喜宣『環境法』(弘文堂,2011年)111頁

環境法

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