滋賀県京都府の新規採用職員の合同研修が11日、大津市で始まった。住民満足の向上を議論する中で、嘉田由紀子県知事と山田啓二府知事は住民ニーズが多様化している現状を踏まえ、「問題の背景を把握し、住民とともに悩むことが大切」と呼びかけた。
 職員が広域的な視点を養うことがねらいで、4年目。今年は滋賀県が107人、京都府から135人が参加し、11、12日の2日間で「持続可能な社会づくり」や関西広域連合について学ぶ。この日は、約10人ずつの24グループに分かれて住民満足をテーマに発表し、評価の高かった6グループが両知事の前で「電話ではなく現場に行って住民の話を聞き、信頼を積み重ねる」「担当外の業務も把握し、住民の苦情を貴重な助言と受け止め、新鮮な目線を忘れない」と意気込みを述べた。
 嘉田知事は市町長や県議会との合意形成の難しさ、琵琶湖の水位を巡る上下流の意見相違を紹介しつつ、「住民の意見は立場で異なり、満足度は割れることが多い。多様な住民に教えてもらう姿勢が大切」と語りかけた。
 山田知事は、ファストフード店の顧客サービスを参考に住民満足を上げたいという新採職員の意見に、「行政に同じ人は来ることはなく、マニュアルは通用しない」と戒めた。その上で「自分の仕事に枠をはめず、全てを吸収する意気込みを持ってほしい」とエールを送った。

本記事では,滋賀県京都府における新規採用職員に対する合同研修の取組を紹介.同取組に関しては,滋賀県HPを参照*1
本記事でも紹介されているように,「滋賀県京都府平成23年度新規採用職員」である「滋賀県107名」,「京都府135名」が「両府県の会場でそれぞれ1日ずつ実施」されており,「1日目」は「滋賀会場」にて,「約10名ずつのグループに分かれ」たうえで,まずは9時30分から13時30分までの間で「グループディスカッション」を開催.午後からは,15時45分から17時15分の1時間30分に,「住民満足を高めるために私たちから何ができるか」のテーマに沿った発表を行い」,これを踏まえての「両府県の知事を囲んでの「知事との対話」を開催.そして,「2日目」である本日2011年10月12日には,「京都会場」に移動し,9時35分から11時5分,11時15分から12時30分までの2つの講演会を受講.午後からは,13時30分から17時の3時間30分で,「各府県の職場のここが良い〜互いに学ぶべきこと」をテーマとした「グループ討議」*2を実施される予定.
滋賀県」の「107名」は「平成22年10月1日から平成23年4月1日までに」と「平成23年4月2日から9月30日まで」の「新規に採用された職員」として,「新採職員フォローコース」*3として実施.「合同研修における交流や情報交換」を通じて「広域的視野や連帯感を醸成」を図ることが目的とされている.「広域的視野や連帯感」も両府県の職員が「組織人」*4となるためには必要と解されている模様.「組織にはそれぞれさまざまなルールや慣例があり,必ずしもマニュアルにすべては書かれていない」*5とも解されることもあるものの,同研修を通じて取得を目指される「広域的視野や連帯感」もまたその一つなのだろうか,なるほど,興味深そう.

*1:滋賀県HP(組織から探すその他の機関(総務部所属)政策研修センター)「滋賀と京都の新採職員が一緒に学びます!

*2:前傾注1・滋賀県(滋賀と京都の新採職員が一緒に学びます!)

*3:滋賀県HP(組織から探すその他の機関(総務部所属)政策研修センター)「平成23年度の研修について(平成23年度研修概要)

*4:桑田耕太郎・田尾雅夫『組織論 補訂版』(有斐閣,2010年)208頁

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

*5:稲継裕昭『地方自治入門』(有斐閣,2011年)92頁

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)