議員報酬に全国初の成果主義を導入している五木村議会の田山淳士議長は21日、本年度の評価結果について議員の氏名や評価理由を公表する方針を決めた。
 村議会は昨年度、議員の活発な競争意識で村の再建につなげようと成果主義を導入。議員報酬の8割を基本給とし、残り2割を議員活動の評価に応じた成果報酬としている。1年目は「前例がなく、試行錯誤の段階」などとして、評価別の人数のみを公表した。
 2年目の評価については、議員活動を評価する評価委員会(照山哲栄委員長、4人)が、村議会に個人名と理由の公表を打診。村議会は対応を田山議長に一任していた。田山議長は21日、村役場であった評価委員会に出席し、「議員のプライベートな問題にもかかわり悩んでいる。委員の意見を聞いて判断したい」と助言を求めた。委員側は「名前を公表し、議員が切磋琢磨[せっさたくま]しないと制度の意味がない」などの意見で一致。アドバイザーとして出席した県立大総合管理学部の桑原隆広教授も「公表は制度の趣旨に沿う。プライベートな部分は評価対象にならないよう十分配慮する」と述べた。田山議長は「議員の意識改革につながるか、やってみないと分からない。全国に例のない制度を改革し、一歩前進したと思う」と話している。(臼杵大介)

本記事では,五木村議会における同議員報酬の一部への成果主義の導入の取組を紹介.2009年12月14日付2010年2月24日付2011年4月8日付同年5月20日付の各本備忘録にて取りあげた同取組.第1回目の前年度は,2011年4月8日付の本備忘録に記録した記事で紹介されたように,各評価毎の人数のみを公表.本記事を拝読させて頂くと,第2回目の本年度は「議員の氏名や評価理由」も公表される方針の模様.公表後,要確認.
同取組では,「五木村議会議員の成果報酬評価委員会設置要綱」に基づき,「委員5名以内で組織」(第3条第1項)される「五木村議会議員の成果報酬評価委員会」が設置され,「議会議員の成果報酬の額を決定」(第1条)*1されている.その際の評価項目は,「五木村議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例施行規則」*2に基づき,下記の通り公表されている.

役職 評価項目
議長 ①議会での指導力 ②議会・委員会等の運営 ③委員会での質問,質疑の内容 ④政策提案 ⑤地域活動への参加 ⑥議会改革への取組みの有無
副議長 ①議会での指導補佐 ②議会・委員会等の運営補佐 ③一般質問,質疑の内容 ④協議会・委員会での質問,質疑の内容 ⑤政策提案 ⑥地域活動への参加 ⑦議会改革への取組みの有無
その他の議員 ①各種委員会委員長の会議運営 ②一般質問,質疑の内容 ③協議会・委員会での質問,質疑の内容 ④政策提案 ⑤地域活動への参加 ⑥議会改革への取組みの有無

ただ,これらの評価項目もやや概括的な規定とも解せなくもなく,これらの評価項目に基づき,実際に議員お一人お一人の成果を評価する際での「指標の設置の難しいこと」*3は確か.同議会での評価結果,個々の議員の成果評価結果と順々と公表されてきたものの,今後は,同評価委員会での審議過程も公表されると,より興味深そう.

*1:五木村HP(五木村例規集)「五木村議会議員の成果報酬評価委員会設置要綱」(平成22年3月23日,告示第16号)

*2:五木村HP(五木村例規集)「五木村議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例施行規則」(平成22年3月23日,告示第10号)

*3:伊藤修一郎『政策リサーチ入門』(東京大学出版会,2011年)182頁

政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法

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