震災で庁舎内で管理されていた住民データなどが失われたことを教訓に、情報を外部のデータセンターに保存し、ネットワークを通じて管理する「自治クラウド」の導入を目指している大槌町は1日、町のホームページ(HP)をクラウド化した。
 クラウド化に伴い、各課の担当者であれば誰でも、どの端末からでもHPが更新できる仕組みも新たに導入された。これまで同町では、HP作成の担当者に各課から情報が持ち込まれ、更新していたが、発信がタイムリーになり、災害時も住民へインターネットを通じて情報を伝えることができるという。碇川豊町長は早速、iPadで「ホームページをクラウド化します」と町長室便りに書き込んだ。同町長は、「自分の言葉をすぐに発信できる。自ら進んでやっていきたい」と話した。【神足俊輔】

本記事では,大槌町におけるホームページの「クラウド化」の取組を紹介.同取組に関しては,同町HPを参照*1
「コストの透明化と効率化」,そして,「災害に強い運用体制の確立」を目的に開始された同取組.「クラウド化」により「庁舎内でサーバ等を運用する負担が軽減」されるとともに,「専任担当者に頼らない情報発信を可能」*2となる.本記事で紹介されている,町長自ら「書き込んだ」「町長メッセージ」は,同町長室HPを参照*3
従来,やや専門性が高いこともからも,その習得の必要性も論じられてきた「ICTリテラシー*4.その習得を声高に論じるまでもなく,本記事でも紹介されるているように,「専任担当者に頼らない」,広い利用が可能となる.個々の職員,職場毎の情報法発信に活用されると興味深そう.方や,「ユーザー自身がプログラムを書くものがない」ことは,場合によっては「プログラムを書くという行為に理解がゆきとどかない」*5虞なくもない.実際の運用状況は,要観察.

*1:大槌町HP(町のお知らせ)「大槌町役場公式ホームページをクラウド化

*2:前掲注1・大槌町大槌町役場公式ホームページをクラウド化(別紙))

*3:大槌町HP(町長室便り)「町長メッセージ

*4:上田啓史「テクノロジーと行政」藤井浩司, 縣公一郎編『コレーク行政学』(成文堂,2007)93頁

コレーク行政学 (政治経済叢書)

コレーク行政学 (政治経済叢書)

*5:坂井修一『ITが守る,ITを守る 天災・人災と情報技術』(NHK出版,2012年)164頁

ITが守る、ITを守る 天災・人災と情報技術 (NHKブックス)

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