佐賀県武雄市は4日、市図書館の指定管理者に、レンタルソフト店最大手「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京)を決定したと発表した。都内で同日、企画・運営に関する提携締結書を交わした。CCCが公的施設を運営するのは全国初。図書館の運営費節減のほか、同社のノウハウを生かし利用者サービスの向上を図る。関連議案を6月定例議会に提案、来年4月の運用開始を目指す。
 開館時間を午前10時―午後6時から、午前9時―午後9時に拡大。年間約30日の休館日を無くし、年中無休とする。全国でも珍しい運営形態により、仕事帰りの会社員や若年層など、図書館から足の遠かった利用者の呼び込みを狙う。年間34万冊の貸出数を、将来的に100万冊に増やすことを目標にする。市によると、運営委託に伴い図書館を改修。本を読みながら飲食できる喫茶店を設けるほか、書棚を増設。現在の約2倍半の約20万冊を並べる。雑誌や市のオリジナル文具の販売も計画する。図書館の利用カードは、全国で約3900万人が加入するCCCのポイントカード「Tカード」に切り替え、本を借りると、CCCの提携企業の店舗で使えるポイントがたまる仕組みにする。具体的なポイント付与の在り方は今後詰める。年間約1億4500万円の図書館の運営費は、1割減を見込む。樋渡啓祐市長は「前代未聞の取り組みだが、民間との提携でサービスを向上させ市民に最新の文化を発信したい」と話した。

本記事では,武雄市における指定管理者制度の取組を紹介.同市では,市立図書館と歴史資料館*1に対して指定管理を実施.たいへん興味深い取組.
指定管理を受ける同社による「ニュースリリース」を拝読させて頂くと,同社が運営されている「「代官山 蔦屋書店」のコンセプト及びノウハウを導入」し「企画」,加えて「重要な手段として付属事業を展開」*2される方針という.具体的には,本記事でも紹介されているものの,9つの事業が想定されており,「20万冊の知に出会える場所」とすること,「雑誌販売の導入」すること, 「映画・音楽の充実」を図ること,「文具販売の導入」をすること,「電子端末を活用した検索サービス」を図ること,「カフェ・ダイニングの導入」,「「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入」,「Tカード,Tポイントの導入」,そして,「365日,朝9時〜夜9時までの開館時間」とすることとという.本記事を拝読させて頂くと,8つ目の「Tカード,Tポイントの導入」は「図書館の利用カード」*3からの切り替えになる模様.なるほど.
2011年1月5日付の前総務大臣による記者会見では,前大臣の個人的な見解による例示風に,「公立図書館とか,まして学校図書館なんかは,指定管理になじまないと私は思うのです」と,「なじまないような施設」*4の一つとも示されたことがある図書館等への指定管理者制度.同図書館へ指定管理は,「2013年4月1日」からの「運営開始」*5される.一方で,指定管理者制度では,しばしば「指定管理期間が短すぎることが指摘」*6されることもある.両館の運営結果を踏まえた計画期間の更新や再設定等も考えられなくはないものの,今回の指定管理期間は,そもそもどのくらいと規定されているのだろうか.要確認.